大満足の日本旅行、でも帰国する飛行機の中で私は深く悩んだ―中国人学生

2017年11月19日 13時20分 (2017年11月22日 00時00分 更新)

日本のサービスやもてなしに感銘を受ける中国人観光客は少なくないが、日本旅行で味わった素晴らしい体験に逆に頭を悩ませることになったという中南財経政法大学の王亜瓊さん。作文に自身の想いをつづっている。資料写真。(Record China)

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日本のサービスやもてなしに感銘を受ける中国人観光客は少なくないが、日本旅行で味わった素晴らしい体験に逆に頭を悩ませることになったという中南財経政法大学の王亜瓊さんは、自身の想いを作文に次のようにつづっている。

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様々な御縁と幸運に恵まれて、私は今年の冬休みに訪日のチャンスを得ることができました。以前、武漢を訪れた日本人夫婦の観光案内をしたのですが、なんとその方達が私を日本に招待して下さったのです。もちろん海外旅行は初めてです。パスポートを作り、ビザ申請手続きには手こずったものの、「日本に行ける」と想うだけでドキドキが止まりません。だって小学生の頃に日本アニメを見て以来、ずっと憧れていた日本に行けるのですから。

あれほど遠くに感じていた日本でしたが、人生で初めての飛行機に乗り、あっけないほど短時間で日本に到着しました。空港バスから眺める車窓の景色だけでも、驚きと興奮の連続でした。教科書だけではわからなかった情報が次々に飛び込んできます。スーパーに買い物に行けば、見たことのない飲み物や食べ物が整然と並んでおり、明るい店内で楽しく買い物ができました。店員さんたちの対応も丁寧で、不愉快になる事はありません。現在は中国でも日本ブランドの服を買う事ができますが、日本の値段は中国の半額以下の場合だってあります。なるほど、中国人観光客が「爆買い」する理由を垣間見た気がします。

私を日本に招待して下さった日本人は、日本舞踊の名取の先生です。私に着物を着せ、化粧を施してくださり、その姿で情緒豊かな京都の町を歩く事ができました。日本の観光地では、観光客に着物をレンタルしてくれるサービスが多くみられましたが、着物を着て歩いていても変にジロジロと見られることもありません。知らない老婦人から「着物姿が可愛いわね」と話しかけられたり、観光中の外国人に写真撮影を求められたり、まるで芸能人になったような気分を味わいました。

留学中の同級生や、インターネットで知り合った友人にも会いました。彼女たちが連れて行ってくれた店の料理はどれもおいしく、本場のお寿司はもちろん、お好み焼き屋に居酒屋、果てはインド料理屋や韓国料理屋まで美味しかったのです。日本発祥の料理でなくても、美味しさへの飽くなき挑戦を感じました。見るもの・着るもの・食べるものすべてが新鮮で、夢のような滞在期間でした。

また日本に行きたい。そう思わせるほどの魅力がありました。しかし日本旅行から帰国する飛行機の機内で、私は深く悩むことになりました。お世話になった日本人夫婦へのお礼に、私は一体何ができるでしょう。私が日本を見て歩き、食べて、買い物をして感じたような気持ちを、お世話になったあの方たちに返せるでしょうか。日本の分刻み、あるいは秒刻みで運行される公共交通があればいざ知らず、中国観光に来た日本からのお客様を予定通りに様々な場所に案内できるでしょうか。日本で感じた伝統文化や良質のサービスの「おもてなし」を、中国でも出来るでしょうか。日本の方たちにとって、中国で「爆買い」したいものがあるでしょうか。

人には個性があるように、国にも個性や固有文化があります。日本の全てが100点満点ではないと思いますし、日本の方式を中国に当てはめれば良いとも思いません。ですが、日本はかつて国家の計画として遣隋使や遣唐使を古代中国に派遣し、あらゆるものをどん欲に学び取り、そして今日に至る独自の文化として昇華させてきました。爆買いが悪いことだとは思いませんが、それ以上に私たちは日本から「良いものは取り入れる」という柔軟さを学ぶべきではないでしょうか。

それは遣唐使のような国家規模の壮大な計画ではありません。大切な外国の友人に、気持ちよく私たちの中国を旅してもらうには、風景や建物やおいしい食べ物を楽しんでもらうには、どうすれば良いでしょう。伝統衣装を着て街中を歩いても、いぶかしげな眼差しではなく、微笑みを向けられる。そんな中国にするために、どうすればいいのか。そういった文化を育てるヒントは、きっと海の向こうのあの国にある。私はそう信じるのです。(編集/北田)

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、王亜瓊さん(中南財経政法大学)の作品「訪日中国人、『爆買い』以外にできること」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。