韓国で日韓通貨スワップ再開に期待高まる、韓国紙「南北首脳会談で北東アジア情勢の気流変わった」と日本に秋波

2018年5月13日 06時50分 (2018年5月15日 00時00分 更新)

日韓関係が冷え込む中、打ち切られた両国間の通貨スワップ。緊急時に外貨を融通し合う仕組みの再開に韓国内で期待が高まり、同国紙は「南北首脳会談で北東アジア情勢の気流が変わった」などと日本に秋波を送っている。写真は韓国の紙幣。(Record China)

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2018年5月12日、日韓関係が冷え込む中、打ち切られた両国間の通貨スワップ。緊急時に外貨を融通し合う仕組みの再開に韓国内で期待が高まっている。韓国銀行(中央銀行)総裁の発言をきっかけに、同国紙は「南北首脳会談で北東アジア情勢の気流が変わった」などと日本に秋波を送っている。

日韓両国はアジア通貨危機を教訓として、為替相場の急激な変動を抑制し、金融市場の安定を確保することを目的に設立された「チェンマイ・イニシアチブ」に沿って2001年7月、通貨スワップを締結した。上限20億ドル(現レートで約2180億円)のドル・ウォン間の一方向スワップ(日本から韓国へドルを供与)だった。

その後、双方向スワップに改められ、規模も11年の700億ドル(約7兆6300億円)まで徐々に増えたが、12年の李明博大統領(当時)による竹島(韓国名・独島)上陸などで日韓関係が悪化。15年2月に終止符を打った。

再開を目指しては両国間で協議が進められていたものの、16年12月、釜山の日本総領事館前に旧日本軍の慰安婦を象徴する「少女像」が設置されたことに日本政府が抗議。対抗措置として協議を中断していた。

聯合ニュースなどによると、日韓通貨スワップについて、韓国銀行の李柱烈総裁は5月初めにマニラで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3国の財務相・中央銀行総裁会議に出席した際、「日本との通貨スワップ再開のために努力し、今後、議論が始まる可能性があるとみている」と発言。「中央銀行が経済協力レベルで接近しようというのがわれわれの一貫した立場」とも付け加えた。

この発言を受け、中央日報は「通貨スワップの追憶、韓日スワップ復元なるか」との記事を掲載。最近のアルゼンチン、ブラジル、トルコなど新興国通貨の急落に言及した。記事は「韓国はファンダメンタルズが強い。金融市場も比較的安定的だ。それでも対岸の火を見物するようにこの流れを見るべきではない」として、「南北首脳会談で変化した北東アジアの情勢をうまく活用すれば、感情的な争いで途切れた韓日通貨スワップを復元することは十分に可能だ」と再開に期待感をにじませている。

韓国経済新聞は「醸成されつつある韓日通貨スワップ再開の雰囲気」との社説で、「韓中通貨スワップが中国と高高度迎撃ミサイル(THAAD)問題でもめていた昨年末に延長したことを勘案すると、日本との通貨スワップも締結できない理由はない」と指摘。「最近の南北首脳会談などをきっかけに北東アジア情勢が急変し、気流が変わったとみられる。日本国内で『ジャパンパッシング』に対する懸念が強まり、日本が通貨スワップ再開に前向きな態度を示す可能性がいつよりも高まった」などと述べている。(編集/日向)