飛行中の旅客機の窓ガラスが割れる、機長への称賛の嵐だけでいいのか―米華字メディア

2018年5月18日 12時50分 (2018年5月21日 00時00分 更新)

16日、米華字メディア多維新聞は、中国で飛行中の旅客機の操縦席窓が割れる事故が発生したことについて、奇跡的な緊急着陸を実現して乗員乗客の命を守った機長を大絶賛するばかりの中国世論に懐疑的な見方を示すコラム文章を掲載した。写真は機長ら。(Record China)

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2018年5月16日、米華字メディア多維新聞は、中国で飛行中の旅客機の操縦席窓が割れる事故が発生したことについて、奇跡的な緊急着陸を実現して乗員乗客の命を守った機長を大絶賛するばかりの中国世論に懐疑的な見方を示すコラム文章を掲載した。

5月14日午前、重慶発ラサ行き四川航空8633便が飛行中、操縦室の窓ガラスが突然破損して機体が急降下した。操縦室内の気温が零下30度まで下がり、地上との連絡が途絶える中、機長が冷静に機体を操作して緊急着陸に成功、乗客乗員100人あまりが全員生還した。

文章は、ネット上ではこの出来事を「中国版ハドソン川の奇跡」と称し、乗客乗員の命を守った機長に対する絶賛の嵐が吹き荒れていると紹介。そのうえで「よくよく考えると、恐ろしい。最近の飛行機は手動操縦の機会が少なくなっているからだ。もし機長に空軍での操縦経験がなかったら、大惨事になっていたかもしれない。事故の原因を究明し、四川航空の責任を追及せよとの冷静な声は、ネットユーザーの大絶賛の前に隠れてしまっている」と指摘している。

そして「このような大災害では、ポジティブな部分だけクローズアップする報道がしばしば発生する。2008年の四川大地震でも、中国政府系メディアは犠牲者の数を伝えず、建物の手抜き工事にもなかなか触れない代わりに、地震のなかで助け合う人情ばかりを大々的に伝えていた。ネガティブな点ばかり報じていては社会全体に悪影響が及ぶというのは理解できるが、長い目で見れば決して良いことではない。美談ばかりでは根本的な問題は解決できず、今回は助かったものの、今後大惨事が起こるのは必然的だ。事故で浮き彫りになった耳の痛い問題を直視し、人的な技術管理の穴を埋めなければならない」と論じた。(翻訳・編集/川尻)