波紋広げる韓国軍の戒厳令検討、朴前大統領の退陣求める「ろうそく集会」当時、文大統領は捜査指示

2018年7月14日 06時40分

昨年3月、市民らが朴槿恵前大統領の退陣を求めて「ろうそく集会」を行っていた当時、韓国軍が「戒厳令」を検討していたことが明るみに出た。事態を重視した文在寅大統領が捜査を指示するなど、波紋が広がっている。朴前大統領の退陣求める「ろうそく集会」(Record China)

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2018年7月13日、昨年3月、市民らが朴槿恵前大統領の退陣を求めて「ろうそく集会」を行っていた当時、韓国軍の情報部隊が「戒厳令」を検討していたことが明るみに出た。軍事独裁を経験した韓国で戒厳令には否定的な記憶が残る。事態を重視した文在寅大統領が捜査を指示するなど、波紋が広がっている。

朝鮮日報によると、機務司令部(韓国軍の情報部隊)が昨年3月に作成した「戦時戒厳および合同捜査業務遂行案」は、表紙・目次を含めて計10ページほどの文書。文書には「衛戍(えいじゅ)令・戒厳宣布事例」「戒厳司令部編成表」「戒厳任務遂行軍編成(案)」「合同捜査本部編成表」など参考資料が添付されている。

戒厳令に関しては「一部保守陣営で戒厳の必要性を主張しているが、国民の大多数はかつての戒厳に対する否定的認識を持っており、戒厳施行時は慎重な判断が必要」とも記述。用い得る兵力として機械化師団(6個)、機甲旅団(2個)、特戦司(6個)といった部隊が示されていたという。

聯合ニュースによると、軍隊の人権問題などに取り組む市民団体「軍人権センター」は10日、当時の軍幹部を内乱予備・陰謀および軍事反乱予備・陰謀の容疑でソウル中央地検に告発。「朴前大統領の弾劾が憲法裁判所で棄却された場合に備え、非常戒厳を宣布し、軍兵力を動員して、ろうそく集会を鎮圧する具体的な計画文書を作成した」と主張し、「市民らが平和デモで不当な権力に対抗している間、軍は戦車と装甲車を動員した『朴槿恵親衛クーデター』をたくらんでいた」とも批判した。

ハンギョレ新聞などは「宋永武国防相が今年3月中旬に機務司令官から文書の報告を受けたにもかかわらず、4カ月間、捜査指示など後続措置を全く講じなかった」と報道。国防省は独自に法理の検討を進めたが、捜査対象にはならないと判断したとされ、関係者は「機務司令部の越権と考える余地はあったが、実行計画ではないと判断した」と釈明しているという。

これに対し、文大統領は国防相の指揮を受けない軍独立捜査団が戒厳令関連文書などを捜査するよう指示した。独立捜査団は陸軍と機務司令部の出身ではない軍検事らで構成される予定だ。

捜査について朝鮮日報は社説で「過去30年にわたって政権交代を続けてきた韓国の民主主義だが、軍部によるクーデターが基本的に不可能な水準に達して久しい。しかも、この文書は弾劾反対勢力による過激な暴力デモも念頭に置いて作成されたものだ」と指摘。「クーデターをうんぬんするのは、積弊(前政権による長年の弊害)清算継続が目的なのではないだろうか」と疑義を呈している。(編集/日向)

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