米中貿易戦争とも重なり台湾海峡「波高し」、米駆逐艦が11年ぶり通過、中国「受け入れられない」と反発

2018年7月14日 10時20分

米海軍の駆逐艦2隻が先週、11年ぶりに台湾海峡を通過した。独立志向の台湾・蔡英文政権への軍事的圧力を強める中国をけん制する狙いとみられ、米中間で激しさを増す貿易戦争とも重なり、「台湾海峡も波高し」だ。台湾メディアの報道(Record China)

[拡大写真]

2018年7月13日、米国海軍のイージス駆逐艦2隻が先週、台湾海峡を通過した。米艦の通過は11年ぶり。独立志向の台湾・蔡英文政権への軍事的圧力を強める中国をけん制する狙いとみられ、中国は「受け入れられない」と反発している。米中間で激しさを増す貿易戦争とも重なり、「台湾海峡も波高し」だ。

台湾国防部によると、航行したのはイージス駆逐艦マスティン(排水量9200トン)とベンフォールド(同8900トン)。いずれも米第7艦隊の母港・神奈川県横須賀基地に配備されている。

2隻は7日午前、台湾海峡に南から進入して北東へ向かった。米国側は2隻が海峡を通過する前に通知。台湾軍は規定に基づき周辺海域と上空を統制し、戦闘機と軍艦を派遣して同行監視した。米国が艦船を台湾海峡に送ったのは公式的には2007年以来。台湾メディアによると、昨年7月に中国海軍の空母「遼寧」が台湾海峡を航行した際にも米艦船が追跡したとの情報があるが、公表されていない。

台湾総統府の報道官は7日夜、「台湾はかねてから台湾海峡と地域の平和・安定を重視している。台湾は国際社会の責任ある一員として今後も両岸(台湾と中国)の現状維持に努め、アジア太平洋地域の平和と繁栄、発展を確保していきたい」とコメント。外交部の報道官は台湾への軍事圧力を強める中国を念頭に、「絶えず高まる軍事的脅威に対応するため、国防への投資を加速して防衛能力を強化する」としている。

これに対し、中国で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室の劉結一主任は8日、台湾メディアの取材に対し、「われわれは国家利益を害するいかなる事柄にも強く反対し、受け入れられない。米国はこの間、『台湾カード』を切り続けている。その目的はとても明確だ」と非難。外交部の華春瑩報道官は9日、米国に対し、台湾海峡の平和と安定を脅かす行為を控えるよう求めた。

台湾を中国の一部と見なす「一つの中国」原則を認めない蔡政権に対して中国側は最近、台湾周辺で戦闘機や爆撃機の訓練を繰り返すなどの軍事的威嚇を続けている。今回は米艦船の航行を公表することで、米軍が南シナ海で行っている「航行の自由作戦」と同様に、中国に米軍の存在感を改めて誇示した形だ。

さらに2隻の台湾海峡通過は、米国が膨大な貿易赤字を理由に中国に対する高関税措置に踏み切るなど、米中間の摩擦がますます高まっている時期とも重複する。香港メディアは「トランプ政権をタカ派が掌握し、米議会の与野党ともに中国に対して強硬な立場を前に出している」とし、「米国は今後、外交軍事手段を強化し、台湾問題と東シナ海、南シナ海問題への介入を強化するだろう」との見方を示している。(編集/日向)

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。