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北朝鮮「大赦」で受刑者の釈放が始まる

2018年8月18日 16時51分

鴨緑江沿いにある、女性だけを収監する教化所(刑務所)。遊覧船に乗ると、かなり近くまで接近できる。(画像:デイリーNK)

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北朝鮮の最高人民会議常任委員会は先月12日、建国70周年に際して8月1日から大赦(恩赦)を実施することに関する政令を発した。

咸鏡道(ハムギョンド)のデイリーNK内部情報筋は先月19日、管理所(政治犯収容所)を除くすべての教化所(刑務所)に収監されている受刑者に対して一律3年の減刑を行うという大赦の内容を伝えたが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の情報筋は、対象者の釈放が始まり、その中には脱北に失敗した人も含まれていると報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋は、今月初めに(日本の県警本部にあたる)道保安局の教化所に収監されたすべての受刑者に対して、3年減刑が実施され、3年以下の懲役刑で受刑していた人は即時釈放されたと伝えた。

釈放された人の中には、脱北を試みて逮捕されたり、幇助したり、中国で逮捕されて北朝鮮に強制送還されたりして、平安南道(ピョンアンナムド)の价川(ケチョン)教化所に収監されていた人々も含まれている。その数は200人と言われている。

价川教化所は先月25日に出所者リストを発表し、対象となった人は「元帥様(金正恩氏)の配慮で出所されることになった、社会に出て誠実に働いて恩返しをせよ」という思想教育を数日間受けたという。

情報筋の説明によると、今回行われた大赦は、建国70周年に際して9月9日に行われる大赦とは別のもので、規模は今回の方が大きいとのことだ。

「来月の9.9節の2回目の大赦令で釈放される人の数より、今回の方がずっと多いと教化所の関係者から聞いた」(情報筋)

地元の人々の間では、南朝鮮(韓国)との関係がよくなったので、中央(金正恩党委員長)が『広幅政治』を始めるのではないかという期待が高まっているとのことだ。広幅政治とは、かつて国営メディアが金正日総書記を持ち上げるために「器が大きく人徳がある」という意味合いで、1993年1月から使い始めた用語だ。

しかし、また期待はずれに終わってしまうのではないかという懸念の声も上がっている。

平安南道の別の情報筋によると、金正恩氏が政権についた直後の2012年、金日成主席生誕100周年に行われた特別大赦令は、全国の教化所の受刑者のみならず、保安署での取り調べを終え送検される前の「予審」の過程にあった被疑者も対象となった。脱北して韓国に向かおうとして逮捕された人々も対象に含まれ「金正日時代とは何かが違う」と期待が高まった。しかし、それはぬか喜びだった。

「しかし、二重三重の税金の負担、生活苦にあえぐ人々が次から次へと脱北したため、中央は国境警備隊に『脱北者を発見したら即時射殺せよ』との命令を下すなど、恐怖政治を始め、国民の期待は恨みへと変わった」(情報筋)

情報筋は今回の大赦令の対象に脱北者が含まれていることについて、「失われてしまった人民からの支持を取り戻そうとするものだろう」と述べた。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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