日本経済が成長軌道に回帰、今後鈍化する可能性も―中国メディア

2018年9月14日 05時50分

日本政府が10日に発表した2次速報データによると、今年第2四半期の日本経済の国内総生産(GDP)実質成長率(年率換算)は3.0%で、予測値の2.6%を上回り、1次速報の1.9%も上回った。写真は関西国際空港。(Record China)

[拡大写真]

日本政府が10日に発表した2次速報データによると、今年第2四半期の日本経済の国内総生産(GDP)実質成長率(年率換算)は3.0%で、予測値の2.6%を上回り、1次速報の1.9%も上回った。成長率は16年1-3月期以来、9四半期ぶりに3%を超え、世界3位のエコノミーの日本が成長軌道に戻ったことがうかがえる。だがアナリストは、「相次ぐ自然災害や貿易摩擦の影響により、日本経済の増加ペースは今後鈍化する可能性がある」との見方を示す。経済参考報が伝えた。

■内需が経済を牽引

今年第1四半期、日本のGDPは前期比0.2%減少してマイナス成長となり、28年続いた戦後最長の景気回復局面が終わった。だが今年第1四半期の短期的な低迷を経て、第2四半期のGDP2次速報値は経済が再び回復傾向に転じたことを示した。名目GDPは0.7%増加で、年率換算では2.8%増加となった。成長率は1次速報値の1.7%を大幅に上回り、17年7-9月期(3.2%)以来の最高水準に達した。総固定資本形成の増加と国内需要の増加が日本経済の回復を後押しした要因となっている。

グローバル貿易情勢の緊張、一連の自然災害などが、同期の経済成長に対する人々の懸念を拡大したが、GDPの60%を占める個人消費は前期比0.7%増加し、18年1-3月期の0.2%減少からプラス成長に転じた。特に自動車の牽引的役割が目立ち、外食サービス産業も成長率上昇に小幅に寄与した。

企業が深刻な人手不足に陥る中で設備投資が予測を上回り、同期の経済拡張ペースは1次速報値を大きく上回った。総固定資本形成の成長ペースも1次速報値を上回り、経済に原動力をもたらした。同期の総固定資本形成の対GDP比は前期比3.1ポイント上昇し、予測値では2.8%、1次速報値では1.3%で、15年以降で最速の伸びとなった。物流、化学工業、自動車部品などの部門で、投資の伸びが非常に大きかった。

SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、「人手不足により、企業は物流の運営への投資を継続的に増やしており、特に自動流通システムに力を入れている。このトレンドはここ2年ほどで明確になり、同期はとりわけ突出していた。安倍晋三首相は退職年齢を65歳に引き上げると述べ、このことが企業を駆り立てて自動化への追加投資に走らせた」と話す。

■外需の圧力は減少せず

第2四半期の経済を牽引した内需と鮮明な対照をなすのは、輸出の前期比増加率の2次速報値が0.2%で変化しなかったが、輸入の増加率が0.9%に低下したこと、また純輸出の経済成長への寄与度がマイナス0.1%だったことだ。輸出と工業生産を含むデータの最近の低迷ぶりから、日本経済の実力に対する疑念は今もなお晴れないままだ。

日本の財務省が発表した今年7月分貿易統計(速報。通関ベース)によると、同月の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2312億円の赤字で、2カ月ぶりの赤字となった。対米貿易は5027億円の黒字で、米国が引き続き日本の対米輸出問題に強い態度で臨み、日本の対外貿易に対する強い圧力になることが予想される。

米国は最近、対日貿易赤字問題をめぐり日本にたびたび圧力をかけている。両国政府は8月に閣僚級の新貿易協議(FFR)をスタートしたが、双方の意見の隔たりは埋まっていない。9月には第2回協議が行われ、日本の麻生太郎副総理兼財務相と米国のペンス副大統領による日米経済対話も検討される。また、早ければ今月25日にも日米首脳会談が行われるよう調整が進められている。

アナリストは、「トランプ大統領は自動車への追加関税で日本を威嚇し、日米の二国間貿易交渉に持ち込もうとしている。米国は今月中に行われる貿易協議までは強硬な態度を示すとみられ、日本に貿易赤字の削減に協力するよう迫る意図は明らかだ。さきに自由貿易交渉(FTA)の協議スタートを求めてきた米国に対し、日本は環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰を呼びかける。日本は貿易赤字削減のため、米国の防衛装備品や液化天然ガス(LNG)の購入を増やすことを検討している」とみている。

■長期の成長か鈍化か

日本にとって、第2四半期の経済データが改善したことは一種の慰めであるに違いない。だが最近の台風や地震といった一連の自然災害が企業や個人の消費活動に深刻なダメージを与え、生産も供給チェーンも影響を受け、今期の経済成長への懸念を増大させている。

経済学の専門家は、「今年第2四半期の日本経済の成長率加速がこれからも続くことは非常に難しい」と言い、日本経済新聞は英金融グループのバークレイズのエコノミストの分析を引用して、中長期的には、個人消費が低迷して企業投資とは異なる動きをし、これに貿易情勢の緊張の影響が加わって、将来の経済のリスクが見え隠れするなどと伝えた。

野村證券の美和卓チーフエコノミストは、「過去2年間、日本経済は好調で、経済全体の成長率は予想を2倍ほど上回っていた。これは主に外部の駆動力のおかげで、特に中国のおかげだといえる。だがグローバル経済の見通しが相対的に暗くなり、これにともなって日本経済の外部ニーズも鈍化する可能性がある」との見方を示す。

日本銀行(中央銀行)政策委員会の片岡剛士審議委員も、「グローバル経済の拡張傾向が来年から弱まり、グローバル貿易摩擦が激化して、経済活動や市場ムードに大きなダメージを与える可能性がある。グローバル経済の不確定性から考えて、日本経済の見通しには下方リスクがあり、企業の総固定資本形成が鈍化するとみられ、来年の消費税率引き上げが日本経済に与える影響も軽視できない。最大のリスクはデフレの長期化だ。大規模な金融緩和の副作用に気を取られてはならない。デフレからの脱却を優先させ、さらに緩和を進めなければならない」との見方を示す。

日本のデフレ問題は好転しないが、日銀には施す手がないようにみえる。市場関係者は、「9月18日から19日にかけて行われる日銀の金融政策決定会合では、7月の会合で出された10年もの国債の利回りの0.2%程度の上昇を容認するとの方向性は変わらないとみられる。日銀はしばらく次の手を打つ必要はない」との見方を示す。

日本銀行の元幹部は、「日銀は政策の選択肢がないリスクに直面している。金融政策の正常化を誘導するための努力が今後停滞する可能性がある。日本経済は外部需要に依存しているため、グローバル経済低迷の影響を受けやすいからだ」と注意を促す。(提供/人民網日本語版・編集/KS)