世界的なブームでニューストピックスを賑わせたゲーム「ポケモンGO」は、現実とゲームをうまく繋ぎながらプレイするVR(仮想体験)ゲームである。しかしその類では、以前から世間にブームを起こした体験型ゲームがあった。


シミュレーターゲームの先駆け「電車でGO!」


それは、90年代中頃に電車運転シミュレーターゲームの先駆けとして登場した「電車でGO!」だ。
「電車でGO!」はいわゆる電鉄オタクやゲーム好きだけでなく、幅広い層に人気を博しその名を広めた。そのきめ細かいシチュエーションやリアルな体験感覚は、本物の電車運転を操るような擬似感覚をもった、今でいうAR的なゲームの先駆けでもあったのだ。

実のところ、制作を手がけたタイトーでは、当初このゲームの構想はあったものの、ゲーム機としては理解されないし売れないなどと言われており、長く具現化されていなかった。
そんな「電車でGO!」はアーケード版として登場した翌年、当時家庭用ゲーム機として普及していたPlayStationへの移植のおかげもあり、100万本以上の売り上げを記録。その専用コントローラーは入手困難になるほどの品薄状態が続いた。

復活が発表された「電車でGO!」


山手線や、東海道本線など誰もが知るような路線から、新幹線篇、四国や中国などの地方路線篇など電鉄オタクの心を揺るがすものまで、「電車でGO!」はさまざまなシリーズが制作されバージョンアップされた。

また、モーター音や駅の発着、車内メロディ、警笛などにマニア魂をくすぐるような再現性が見られるのも、人気の一因だった。

「電車でGO!」シリーズはアーケード、TVゲーム、携帯ゲームなど様々な形で展開されたが、2004年に発売された「電車でGO! FINAL」をもって、新作の制作については一度終了となった。
しかし2016年の今年、20周年を記念して、「電車でGO!」は再び登場する。現在の3Dグラフィックを取り入れたリアルなビジュアルによる新たな「電車でGO!!」アーケード版が発表されたのだ。あわせてパズルゲーム「連結!電車でGO!」もアプリで発表され、今冬配信予定になっている。

現実での電車待ちの間や、電車通勤でのちょっとした合間にも、ちょっと視点を変えて往年の体験シミュレーターゲームの世界を楽しんでみるのもいいかもしれない。

(空町餡子)

※イメージ画像はamazonより山手線命名100周年記念 「電車でGO! 」特別編 復活! 昭和の山手線