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エマニュエル・トッド理論から読む、世界のこれから。2023年、中国が滅びる!?

2017年5月9日 12時00分

 慎重なトッドは、断言はしていません。しかし、「カタストロフィーのシナリオも考えられる」という答えは出しています。その理由の一つは、家族類型に内在する危機です。外婚制共同体家族社会では、カリスマ的な父親が、権力者と権威者を兼ねた独裁者として君臨する一方、兄弟=国民が横並びに並んで従います。これは縦型の権威主義と、横型の平等主義を二つ合わせたものですが、この二つはうまく折り合うバランスを見つけるのが非常に難しく、常に、構造的な危機を内包しています。

 その危機が顕在化するのは、権力者である「父親」の死、つまり命令系統を失って、横型の平等主義だけになるときです。スターリンの死後は、フルシチョフ、ブルガーニン、ベリヤのトロイカ(三頭政治)になりましたが、結局、それはうまく機能せず、ブレジネフの独裁となってようやく安定しました。しかし、ブレジネフ程度の独裁者では横の平等との釣り合いを取るのがむずかしく、ブレジネフの死後は混迷が続きました。次に登場したのがゴルバチョフでしたが、ゴルバチョフはたまたま民主的な人物だったので、ペレストロイカ(民主主義の導入)を図りました。しかし、外婚制共同体社会には民主主義は向いていないのです。なぜなら、民主主義だとすぐに無秩序社会になってしまうからです。

 かくて、ソ連は大瓦解し、その廃墟の中からプーチンという独裁者が現れて、ようやく社会は安定を見たのです。

■家族理論からみると正しい習近平の独裁体制強化

 この過程を中国に当てはめると、習近平が独裁体制を強めていることは、外婚制共同体家族の社会の原理から行くと「正しい」ことなのですね。

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