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統合失調症の母と認知症の父の教え 『ひよっこ』医療監修者の“哲学”

2017年10月21日 11時00分 (2017年10月23日 06時41分 更新)

『ひよっこ』の医療監修を務めた糸川昌成さんは、統合失調症の母、認知症の父を持つ人でした。分子生物学者として、精神病の原因に最新の遺伝子研究で迫る中で知った「病の意味」「医療の哲学」とは――。




■叔父の日記に書かれていた「分裂病」という言葉

――糸川さんの著書 『科学者が脳と心をつなぐとき』 には、統合失調症だったお母さまのことが綴られています。この道に進まれたきっかけでもあるのでしょうか?


糸川 直接的なきっかけではありません。ただ、物心ついた時から母は家に不在で、父や親戚に母のことを聞くと場が凍りつきました。僕にとって母は謎の存在だったのですが、会うこともないまま、次第に病没したのだと理解するようになりました。その後、祖母を往診するお医者さんの姿を見るなどして、次第に医者の道を選んだのですが、大学入学時に手にした戸籍謄本で母が生きていることを知ったんです。母のことがどうしても知りたい。そこで手にした叔父の古い日記に母についての記述を見つけたんです。書かれていた言葉は「分裂病」というものでした。


――当時は統合失調症を「分裂病」と呼んでいた時代ですね。


糸川 医学を勉強する前のことでしたから、それがどういう病気なのか正確にはわかりませんでした。ただ、ただならぬことであろうことは感じました。一目会いたいという思いと、もしかしたら変わり果てている姿を目にするかもしれない恐れに迷っているまま月日は経ってしまい、母が亡くなったという報せを受けたのは、僕が39歳の時です。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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