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「楽しさの利子は馬鹿にならない」ベストセラー作家・森博嗣が指南する幸せになるための単純な理論

2017年11月17日 18時00分 (2017年11月18日 11時48分 更新)
森博嗣の新刊『道なき未知』が評判だ。例えば氏はこう説く。「苦労はしたくない、生きやすい人生で良い、楽しければそれで良い、とだらだらと日々を過ごしていると、いずれは手詰まりになる」。その理由とは? 本書より「甲斐VSやすい」を紹介。

【道なき未知~「甲斐」VS「やすい」】

■苦労か安易か、どちら?

 「やり甲斐」とか「生き甲斐」とか、近頃では深く考えもせず、綺麗に響くだけの理由でこれらの言葉が使われているようである。もともとは、苦労や苦難に耐えただけの見返りがあった、という意味で用いる言葉であって、やることが楽しい、生きることが面白い、というシンプルな意味では全然ない。むしろその逆なのだ。大人たちが、無意識に綺麗事を繰り返すから、今の若者は、きっとそこを誤解しているだろう。
 九割の苦しみのあとに一割のリターンがあったときに、「甲斐があった」と言う。ようするに、本来は「抵抗感」みたいなものを強調して表現する言葉なのである。
 たとえば、「食べ甲斐がある」といえば、量が多くて食べるのに苦労する、という意味だ。「食べやすい」ではなく、「食べにくい」に近い。したがって、「やり甲斐」と「生き甲斐」は、「やりにくさ」「生きにくさ」に近い意味だから、みんなが探し求めている青い鳥のドリームでは全然ない。
 なにしろこの頃は、料理を褒めるのに、「食べやすい」と言ったりする。「へえ、そうなのか。食べやすいことは良いことなのか」と僕はびっくりする。

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コメント 1

  • 匿名さん 通報

    本人は単純って言ってるけど、要は理屈っぽく自分の考えを押し付けているだけ。

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