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『西郷どん』西郷隆盛の実像は? 東大教授「アジテーターとしての才覚も抜群」

2018年1月14日 14時00分 (2018年1月15日 13時47分 更新)

 日本人なら誰もが知っている西郷隆盛が主役の、今年の大河ドラマ『西郷どん』。東京大学史料編纂所教授・本郷和人さんに、西郷隆盛の人物像を教えてもらった。



本郷和人さん 撮影/吉岡竜紀■人間的であると同時に合理的。封建制を壊すために駆け抜けた

 公武合体(朝廷の伝統的権威と幕府及び諸藩による幕藩体制)を掲げていた斉彬に心酔していた西郷さんが倒幕に傾倒していく背景は、歴史的に見ても謎が少なくなく面白いポイント。その後、廃藩置県という大手術を断行する姿から考えるに、自らも下級武士であった西郷さんは「封建制を壊す」という理想を持っていたのではないでしょうか。世の中を変えるためには、天武天皇徳川家康しかり、血が流れることが必要である……言わば革命家として幕末を駆け抜けていったように思います。



 西郷さんは温和なイメージがありますが、江戸薩摩藩邸の焼き討ち事件を筆頭に、挑発行為を行うことで戦火のきっかけを作るアジテーターとしての才覚も抜群で、実に合理的かつ冷淡な一面を備えています。栄達を求めずやり抜く力を備えていた希代の指導者であると同時に、きれいごとだけでは貫徹できない清濁あわせのむ人物だったのでしょう。



 ですから、廃藩置県によって士族が反乱することも想定内。どこを死に場所とするかを熟考し、自らも死ななければ示しがつかないと悟り、西南戦争に踏み切ったのではないか……。人間的かつ崇高な生きざまをどのように描くかは大きな見どころです。



<プロフィール>
ほんごう・かずと◎1960年、東京都生まれ。東京大学文学部・同大学院で日本中世史を学ぶ。現在はテレビをはじめ各種メディアでも活躍中。近著に『新・中世王権論』 (文春学藝ライブラリー)がある。



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