「ながらスマホ」が問題視されるようになってずいぶんになりますが、これは若い人の問題だけではありません。スマホに熱中している子供を叱る親の方も、振り返ってみると? ドコモが、そんな問題を解決する対策を提案する動画を公開しました。


 どんな時もスマホを離さず、食事の時もいじりながらで集中しないため、業を煮やした親から怒鳴られる子供……というのが、ひょっとしたら「ながらスマホ」という言葉から想像される光景かもしれません。しかし、NTTドコモが2018年3月にスマホを持つ小学生(10歳以上)~高校生の子供300人、同じく小学生(10歳以上)~高校生の子供がいるスマホを持つ親300人を対象に実施した「親と子の食事中のスマホマナー調査」の結果を見ると、必ずしもそうでないことが判ります。


■食事中スマホをいじるのは子より親の方が多い


 親子が食卓を囲む食事中に、子供より親の方がスマホをいじっていると答えたのは、小学生35%、中学生42%、高校生56%のほか、親自身も62.3%と自覚しているケースが半数以上となっているのは驚きです。これでは子供に注意しても説得力ないですよね。


 また、子供のスマホルールでは「食事中はスマホ禁止」というものが最も多く、小学生52.6%、中学生48.3%、高校生52.1%。しかし半数以上の親が食事中、子供より多くいじっている訳で、小学生の28%、中学生の17%、高校生の10%が、その状態に理不尽さを感じていると回答しています。


■子は願っている「親にも食事中のスマホをやめてほしい」


 せっかく家族で食事をしているのだから、互いに会話などを楽しみたいもの。子供の側も、食事中スマホをいじっている親に対しての感想を求めると「食事中にスマホを使わないでほしい」というものが、小学生57.1%、中学生44.4%、高校生54%と最も高い回答となりました。


 このような調査結果を参考に、NTTドコモは食事中など「スマホを使わない時間」を作り出すにはどうするかと考え、その回答としてある機器を試作しました。「PHONE GARAGE」と名付けられた機器は、料理にかぶせるドーム型の覆い「クロッシュ」の形をした、スマホの充電・除菌ができるというもの。充電の状況は外部からも確認でき、電波をブロックするものではありませんので、メールや電話の着信やSNSの通知などは問題なく受信することができ、緊急の用事に対応できるようになっています。


 都内のレストランを舞台に、実際の親子に体験してもらった動画を見ると、形のかわいらしさもあって、おおむね好評のようです。

これをもとに、実際の製品やサービスとして登場するかもしれませんね。


 一人ひとりに寄り添い、それぞれが自分らしさを発揮できる社会を目指す「ForONEs」というスローガンを掲げているNTTドコモ。スマホのサービスを提供している会社なのに「スマホを使うのをお休みしませんか?」という提案は、一見矛盾しているように見えますが、一人ひとりの時間も大切にすることで、スマホに生活を支配されるのではなく、うまくスマホを使いこなしてください、というメッセージなのかもしれません。


画像提供:NTTドコモ


(咲村珠樹)