精密機械である時計には、こまめなお手入れが不可欠。そこで、ケアの頻度や難易度ごとに応じて、毎日のメンテナンスから困ったときの対処法までを徹底解説する基礎講座をここに開設!
第4回は「週1回、休日にやっておきたい時計のブレスレットケア」。
できれば毎日やるのがベストではあるが、土日など時間のあるときにやっておくと良いブレスのメンテナンスをタイプ別にご案内。今回は「メタルブレス」のお手入れを解説!
写真を拡大 メタルブレスのお手入れ3大ポイント
Step 1【初級】
コマ奥の汚れは
歯ブラシとつまようじで除去!
写真を拡大 ブレスを曲げて見えた黒いこびりつきは、ブラシの先でブラッシング。強めに掻き出しても◎。
" target="_blank">写真を拡大 さらに奥にこびりついた、しつこい汚れは、つまようじの先で掻き出すようにすれば大丈夫。歯磨きのイメージで掻き出す
汗と皮脂にホコリが混ざった固形化した黒い汚れが、ブレスを曲げると奥に見えることが。これは可動部の隙間に入る細いものでないと取れない。歯ブラシやつまようじを駆使し、歯垢のように隙間から掻き出そう。
Step 2【初級】
ブレス表面のくもりは
ぬるま湯や流水で水洗い
写真を拡大 写真のように、溜めたぬるま湯や水に、ブレスを泳がせるようにして拭うだけでも、断然、汚れは落ちる。
ケースが浸からないよう注意すれば丸洗い可能
キチンと拭いて陰干しするなら、案外、メタルは水に浸けてOK。容器にぬるま湯を溜めて、浸け、指やブラシで擦ってやれば、曇りの原因である皮脂もみるみる落ちる。メタルブレスだけなら流水で洗浄しても大丈夫だ。ただし、ケースに強い水圧をかけることは厳禁なので注意を。
Step 3【初級】
バックルの隙間もブラシとつまようじで
写真を拡大 要領は、コマ奥の汚れを除去したときと同じ。
ケースが浸からないよう
注意すれば丸洗い可能
キチンと拭いて陰干しするなら、案外、メタルは水に浸けてOK。容器にぬるま湯を溜めて、浸け、指やブラシで擦ってやれば、曇りの原因である皮脂もみるみる落ちる。メタルブレスだけなら流水で洗浄しても大丈夫だ。ただし、ケースに強い水圧をかけることは厳禁なので注意を。
Step 4【中級】
汚れがしつこいときは
中性(食器用)洗剤でクリーニング!
" target="_blank">写真を拡大 使うのは一般の家庭用中性洗剤で大丈夫。安いものなら120円程度で買える。
Step1~3で歯ブラシやつまようじで掻き出しても、さらに落ちないしつこい汚れに有効なのが実は「洗剤」。SSブレスも食器洗いに使う市販の家庭用洗剤でOKなので、汚れがしつこいときはぜひ試してみてほしい。
1. 歯ブラシに洗剤をつける
軽く濡らしたブラシの先端に、軽く2~3滴、中性の食器用洗剤を垂らす。つけすぎるとブレスがベトベトになってしまうので、注意しよう。
2. 水をつけて軽く泡立てる
コップに入れた水などで、軽く泡立てる。このときも泡立てすぎないよう気をつけて。また時計は水に弱いので、この作業中は離してやること。
3. 歯ブラシで磨いていく
ブレスを取り外さない場合は、本体を濡らさないよう十分注意しながら丁寧に磨いていく。泡を活かして、細部までしっかりとブラシを入れよう。
4. 水洗いをして洗剤を落とす
隙間まで丁寧にブラッシングしたら、丁寧に水洗いをして、洗剤を落としていこう。
このときも水がケースに浸水しないよう注意するのを忘れずに。5. しっかり乾燥させて、完成!
水気を落とし、しっかり乾燥したら出来上がり。乾燥したら小さな汚れやくもりをとるように、セーム革などで丁寧に拭き取ると、よりベターだ。
Step 5【上級】
より丁寧にクリーニングするなら
「バネ棒外し」でベルトを外して洗浄する
写真を拡大 これが「ばね棒外し」。さす股のようになったU字型の先端と、極細の円柱形をした先端の両端を備える。価格は1000円程度からあるので、まずは一本購入しよう。
ブレスはケースから外せば、どのようにクリーニングしてもOK。外すにこしたことはない。しかし、ばね棒外しの先は硬質な金属のため、手元が狂ったときに傷をつけないよう、ラグにマスキングテープを貼ると安心だ。
写真を拡大 ばね棒外しの基本手順。ここまでくるとかなりの上級テクニック。1. ラグの裏面をテープで留める
裏面の隙間を覆うように、四方に貼るのがベター。マスキングテープはセロハンテープなどで代用しても構わない。
2. ばね棒外しでばね棒を押し込む
時計に付いたばね棒の先端付近の「凸部」に、ばね棒外しの「凹部」を掛けてから、ばね棒の先を押し込めるように。
3. ゆっくりとばね棒を引き出す
ばね棒は弾き飛びやすいので、外れる瞬間は慎重に。接合部を指で抑え、ゆっくりラグからばね棒を引き出すようにして。
土日のひと手間で、時計のコンディションは大きく差がつく。
ぜひ今週末、試してみて!