なぜ辣腕ビジネスマンほど、中学受験で子供を“潰す”のか

2018年5月17日 20時00分 (2018年5月19日 10時06分 更新)
父親と中学受験 Vol.1
「仕事ができる父親ほど、子育てに苦手意識がある」。そんな傾向があることは、昔から根強く囁かれている。仕事で結果を出すための手法と、子供の素質を伸ばすための手法が相反することが多いからだ。しかし、いざ「中学受験」となると、子供と共通目標を立てて合格という結果を得るために、自分のビジネスノウハウが活きてくるはず! と意気込む父親も多い。実は「中学受験」には大きな落とし穴があるとも知らずに……。
この連載では、年頃の子供がいるオーシャンズ世代の父親が「中学受験に関わるときに注意すべきこと」を、教育・育児ジャーナリストのおおたとしまさ氏に直言してもらいます。






子供は「小さなビジネスマン」ではない

託されたプロジェクトは必ず成功させる。無理難題も持ち前のねばりと馬力で切り抜ける。そんなイケてるビジネスマンほど、わが子の中学受験に関しては慎重になったほうがいい。最悪の場合、子供が壊れるからだ。

子供が中学受験をする年齢にさしかかるということは、その父親は、たいがい15年以上の月日をビジネスの世界で過ごしてきたことになる。ビジョン、ストラテジー、ターゲット、マネジメント、コンピタンシー、コスト、そしてPDCA……。そんな摩訶不思議な言葉が飛び交うビジネスの世界に、頭も体も最適化している。

その視点から中学受験を見ると、偏差値は株価に見える。テストの点は売上。塾のカリキュラムは週単位のPDCAサイクルだ。