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大阪地震でも頻発! 災害時の「出勤命令」に従う必要があるのか弁護士が解説

2018年7月6日 16時55分
6月18日午前7時58分、大阪北部を震源とする『震度6弱』の地震が発生。強い揺れは、住民に大きな影響を与えました。時間が通勤ラッシュと重なったこともあり、電車に閉じ込められる、車が動かなくなるなどして、会社にたどり着けなくなる人も多かったようです。

交通機関が混乱している状況下では当然出勤は難しく、途中帰宅や自宅待機は致し方ないこと。ところが大阪地震の際には「上司からなにがなんでも出勤しろと言われた。」「出勤できないとメールしたら『気をつけて出社してね』と返ってきた。」など、出勤を促された人も多かったようです。
地震など、自然災害で出勤が難しい場合自宅待機は当然だと思われますが、それを無視する形で会社に来るよう促す行為は違法にならないのでしょうか?
パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。
■災害時の出勤命令に従う必要があるのか?
櫻町弁護士:「まず前提として、使用者は、労働契約や就業規則に基づき、労働者に対して指揮命令を行う(業務命令を出す)ことができますから、例えば、地震等の災害発生時において、災害によって損壊した事務所の復旧作業のために出勤を命じられた等の場合にも、基本的にはこれに応じる義務があるといえましょう。
ただし、生命や身体、健康に危険が及ぶ可能性があることが具体的に予見される場合には、業務命令に従う必要はないとされています。
この点について、昭和31年、日本と韓国の間を結んで敷設されていた海底ケーブル修理のため、千代田丸という修理用船舶で出航を命じられた電電公社(現NTT)の当時の職員が、(当時は)日本と韓国の間に軍事的緊張があり、海底ケーブルが敷設されている海域を航行した場合、攻撃等を受けて生命、身体に危険が及ぶ危険があるということで当該出航命令を拒否(ただし、最終的には予定出航時間から25時間遅れで出航)したことを理由として解雇されたという事案で、最高裁判所は、
『現実に米海軍艦艇による護衛が付されたこと自体、この危険がたんなる想像上のものでないことを端的に物語るものといわなければならず」、「動乱終結後においてなお、この危険が具体的なものとして当事者間に意識されていたからにほかならない、というべき」とした上で、「かような危険は、双方がいかに万全の配慮をしたとしても、なお避け難い軍事上のものであつて、海底線布設船たる千代田丸乗組員のほんらい予想すべき海上作業に伴う危険の類いではなく、また、その危険の度合いが必ずしも大でないとしても、なお、労働契約の当事者たる千代田丸乗組員において、その意に反して義務の強制を余儀なくされるものとは断じ難い』
として、出航命令に従うべき義務は認められないと判示しました(最高裁昭和43年12月24日判決・判タ 230号191頁)。

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