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複雑な課題を「賛成か反対か」と二択で問う――トランプ大統領を生んだジャーナリズムの反省と悔恨

2018年10月12日 06時10分


『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが、トランプ大統領を誕生させたジャーナリズムの機能不全について指摘する。

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なぜトランプ大統領が誕生したのか。それはわれわれジャーナリストが至らなかったからだ――。そんな反省の言葉から始まる長文記事が、アメリカのジャーナリストらが運営する非営利団体「Solutions Journalism Network」のウェブサイトに掲載されました。

ジャーナリズムの機能不全を正さない限り、この問題は克服できないだろうとの趣旨には、確かにうなずける点が多々あります。

最大の課題は、現実の複雑な問題をジャーナリズムがいつも単純化してしまうことです。例えば、トランプを支持する人と支持しない人の間には、彼らが表向き言い争っている内容よりも深い問題が横たわっている。

その問題を考えるきっかけはいくらでもあるのに、メディアはそこにフォーカスせず、「トランプが好きか嫌いか」と二者択一を突きつけ続けることしかできていません。問題を矮小(わいしょう)化させ、単にいがみ合うだけの状況をつくっているのはジャーナリズムである、との指摘です。

典型的だったのが今年2月、CBSテレビの人気番組『60ミニッツ』。民主党次期大統領候補との噂もある女優のオプラ・ウィンフリーが司会を務め、民主党支持者、共和党支持者、無党派の有権者14人と「トランプ政権の一年間」について討論したのですが、その中身はまったく生産的ではありませんでした。

オプラがあるトランプ支持者に「なぜ支持するのか」と問うと、その人物は滔々(とうとう)と理由を語るなかで「もう何が起きているのかわからなくて怖かったんだ」というニュアンスの話をしました。

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