女子卓球五輪メダリストの福原愛が10月21日にブログを更新し、現役からの引退を発表した。今後について「卓球を通して恩返しをしていきたい」と表明し、ファンからは長年の功績を労う声が殺到している。



 福原が卓球を始めたのは、4歳にも満たなかった1992年のこと。10歳年上の兄が卓球をしている姿を見て自身も希望し、母・千代さんからラケットを与えられたことが卓球人生の始まりだった。

 福原をメディアが取り上げたことで、「天才卓球少女」として全国的な人気を獲得。また当時は試合中に泣き出してしまう一面もあり、「泣き虫愛ちゃん」の愛称で親しまれた。その後は卓球の才能を飛躍的に伸ばしていき、10歳でプロ宣言。11歳からナショナルチームでの活動を始め、高校時代には卓球大国・中国にて「中国超級リーグ」にも参加している。


 武者修行を経て日本代表として参加した五輪は、2004年のアテネ大会を皮切りに、北京大会、ロンドン大会、リオデジャネイロ大会の4回を数える。ロンドン五輪では日本女子卓球史上初の銀メダル、主将を務めたリオ五輪では銅メダルを獲得。2大会連続でチームのメダル獲得に貢献し、日本中が沸き立つことになった。

 リオ五輪後は休養に入っていた福原だったが、リオ五輪直後の9月に卓球台湾代表・江宏傑と入籍していたことが判明。長年ファンに見守られてきた存在だけに祝福の声が殺到した。一方で、ウェディングドレス姿の公開やディズニーランドでの挙式など、たび重なる“夫婦愛アピール”が一部で反感を呼び、インターネット上には「なんか愛ちゃんのイメージ変わっちゃった」「もうおなかいっぱい」などと批判的な声も上がった。


 一時期、“アンチ”のターゲットになってしまった福原だが、2017年10月に女の子を出産するとファンは再びお祝いムード一色になった。育児生活が始まって1年、今回の競技生活からの引退発表となった。結婚時には「家庭をつくりながらも、選手として戻りたい」と希望を語っていたが、ブログで「この2年間で次世代の選手達が大きな成長を遂げ、日本の卓球界全体が以前より盛り上がってきました」とコメント。そして「もう私が選手として卓球界を引っ張っていかなくても大丈夫、後輩たちがさらに飛躍し、日本代表として頑張ってほしい、という想い」と、率直な気持ちを綴っている。

 ファンからは「長い間、本当にお疲れ様でした!」「今の卓球界があるのは、愛ちゃんがいたからこそ」「我が子を見るような目線で見守っていました」「大舞台に挑む愛ちゃんに何度勇気づけられたことか。本当にありがとう」といった声が続出している。


 今後、どういったかたちで卓球に携わるのか、福原に注目していきたい。
(文=編集部)