2017年2月26日に境古河IC~つくば中央IC間が開通し、圏央道は全体のおよそ9割が完成しました。しかし、沿道にはSAがひとつもありません。

なぜ、すべてPAなのでしょうか。

放射道路のSA・PAを踏まえて

 2017年2月26日(日)、圏央道の境古河IC(茨城県境町)とつくば中央IC(同・つくば市)のあいだ約28.5kmが開通しました。これにより圏央道は神奈川県から東京都、埼玉県、茨城県を経て千葉県までを結ぶ区間がつながり、全体のおよそ9割が完成しました。

 全通すれば総延長300kmになる圏央道には現在、5つのPA(パーキングエリア)が設置されています。しかし、SA(サービスエリア)はひとつもなく、2017年3月現在、設置の予定もありません。

 なぜPAしか設けられていないのでしょうか。

NEXCO東日本の関東支社に聞きました。

圏央道、全長300kmにSAなし 「PAだけ」のワケとはの画像はこちら >>
圏央道・菖蒲PAのイメージ。上下線一体型のPAで、24時間営業のガソリンスタンドもある(画像:NEXCO東日本)。

――圏央道にはなぜSAがなく、PAだけなのでしょうか。

 圏央道単体で考えるのではなく、交差する常磐道、東北道などの放射道路におけるSA、PAの位置関係を踏まえて検討した結果、PAのみの配置になりました。

PAだけで大丈夫? SAとの違いは…?

――PAといえば一般的に、ガソリンスタンドがないなど規模が小さいイメージですが、たとえば給油に困るようなことはないのでしょうか。

 おっしゃる通りPAは規模が小さいイメージがあるかと思いますが、近年は規模を拡張したPAも増えています。ガソリンスタンドについては放射道路のSA、PAのほか、圏央道では菖蒲PA(埼玉県久喜市)に設置しています。

圏央道、全長300kmにSAなし 「PAだけ」のワケとは
関越道・三芳PA「Pasar三芳」(上り線)。PAながら大型104台、小型200台ぶんの駐車場(障害者用除く)を有し、ガソリンスタンドも備える(画像:NEXCO東日本)。

 圏央道では菖蒲PAのほか、厚木PAにフードコートやショッピングコーナー、狭山PAにはレストランやカフェなど、PAでもSAにあるような施設を有しています。一方、全国にはSAでもガソリンスタンドがなくなったところもあり、今や両者のちがいをひと言で説明するのは難しいようです。

 ちなみに、圏央道6つ目のPAとして建設中の坂東PA(茨城県坂東市)は、地元の坂東市が、一般道に設けられる「道の駅」と連結(歩行者がPAと道の駅を自由に行き来できる状態)させるべく、国やNEXCO東日本と調整を進めています。

【地図】圏央道のPA、どこにある?

圏央道、全長300kmにSAなし 「PAだけ」のワケとは
全長300kmとなる予定の圏央道には現在、5つのPAがある(国土地理院の地図を一部編集)。