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旧料亭「三宜楼」は、門司港栄華の象徴。市民の力で買い取り、約10年かけて保存再生へ

2017年12月4日 11時05分 (2017年12月11日 10時55分 更新)

市の事業で文化財が守られる一方で、解体されゆく私有の建物をどう守るか


国の重要文化財「旧門司三井倶楽部」や「JR門司港駅」をはじめ、数々の歴史的建築物を擁する観光地、北九州市の「門司港レトロ」。前回の記事では、その一部を写真で紹介した。

門司港レトロは、北九州市の事業として300億円余りを投じ、約7年の歳月をかけて整備された。しかし、周辺に残る私有の建築物については、たとえ歴史的価値が認められたとしても、維持できるかどうかは所有者の事情次第だ。まちの人々に惜しまれながら、解体されていく建物は後を絶たない。

前回の記事でも触れた、門司の高台・清滝を象徴する料亭建築「三宜楼(さんきろう)」も、かつて解体の危機に瀕した。保存活用に至るまで、実に10年近くの紆余曲折を経たという。門司の人々は、どうやってまちの歴史を刻む建物を守り抜いたのか。その物語を、「三宜楼を保存する会」で事務局長を務めた城水悦子さんに聞いた。



昭和初期の高級料亭も戦後は斜陽に。個人では維持できない建物を募金で救う


門司港周辺の平坦な街から山裾の傾斜地へと上る、その最初の坂道を、通称「三宜楼坂」と呼ぶ。突き当たりに威容を見せる、木造3階建ての和風建築が三宜楼だ。床面積300坪超という建物の大きさに加え、高さ約5mもの石垣の上に建っているため、存在感が際立っている。往時はいわゆる「一見さんお断り」の高級料亭だったそうだ。2階にある大広間「百畳間」には16畳もの能舞台が備わっており、その格式の高さをうかがわせる。

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