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山崎拓氏に独占取材 「安倍一強」支えるネット世論を斬る

2018年7月20日 07時02分

今なお政界に強い影響力を持つ山崎拓氏

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 自民党の元政治家、山崎拓氏と言えば加藤紘一氏、小泉純一郎氏と並ぶ「YKK」の一角。小泉内閣で自民党幹事長や副総裁を務めて小泉改革を支えた。何度も首相候補と目され長く要職を歴任。2012年に引退後も政界に強い影響力を持ち続けている。

 自民党総裁選を9月に控えた今、山崎氏にインタビューしたテーマは「安倍政権とネット世論」。安倍一強の状況と新聞を読まないネットユーザーの関係について、長く自民の重鎮として君臨しつつも「ネットにはほとんど接していない」と語る山崎氏にあえて直撃した。

●「新聞を読まない人が自民党支持」

――さまざまなスキャンダルが起きつつも政界で「安倍一強」が揺るがない背景にはネット世論の影響があるように感じます。

山崎: 民主政治のもとではマスコミの影響は非常に大きい。私はネットの世代ではないから、従来の新聞やテレビの報道を見て(政治について)判断しています。それから政治家と関わり合いがあるので、彼らの議論を直接見聞きして別の判断根拠も持っている。

 新聞は各社で政権を支持する、しないという立場をある程度はっきりさせている。どの新聞を(有権者が)読んでいるかということが(世論に)影響しているでしょう。ただ、若者層はほとんど新聞を読まない。どの新聞に左右されるかといったことはない気がしますね。

 「新聞を読まない人が自民党を支持する」といった言葉を麻生太郎さんが言っていると新聞で読みました。言い得て妙じゃないかな。新聞を読む力と言うのは今の若い人には乏しいように思えますね。日本語をよく勉強していない、国語力が弱いんじゃないかなと思う。

 昔は読書量が教養の基礎でした。僕の知っている昔の政治家では中曽根康弘さん、大平正芳さん、福田赳夫さん、非常に読書家でした。皆さんよく本を読んで基礎的な教養を持っていた。

 今はテレビ文化になっている。テロップなど視覚で物事を捉えてしまい、頭脳で考えない。それが若者の通弊で、政治とも関係している。

●「国民は自分以上の水準の政府を持てない」

――ちなみに9月の総裁選はどのように予想しますか。

山崎:安倍総裁3選は8割の確率であると思う。2割は別ですが。総裁選挙の見通しを聞かれたらそういうことになります。国民の世論とは関係ないです。ほとんど関係ない。“自民党内世論”で決まります。

 自民党員というのは国民の1%程度しかいない。若い人はほとんど自民党員にいない。年4000円の党費を払わなくてはいけないから。若い人はそんなお金なんか払わない。自民党に興味もなければ義理もない。

 昔は学生運動が盛んだったが、今はないから。昔は自由主義だ資本主義だ民主主義だ、共産主義だ社会主義だとそれぞれイデオロギーを信奉して学生運動にまい進した人が多かったのですよ。

 今はイデオロギーがない。あなた(記者)は何主義ですか?って聞かれて答えられないでしょう。ありません、ただ生きているだけ。飯を食わなくてはいけないからこういう仕事をしています、と。

 僕は今大学で(政治学を)教えていますけれども、非常にそういう意味でイデオロギー的ではないですよね。学生たちは有権者。なのに政治にほとんど関心がないです。

――しかしその学生たちは山崎さんの講義を聞きに来ています。

山崎: 僕が教えるから興味を持つだけです。僕のような大学の先生はほとんどいないから。政治を教えられる先生はほとんどいない。政治をやっていた者ではないということと、政治学者というのは非常に“上”の話をするからね。現実政治のことはあまり言わないから。ようするに、それを勉強しても実社会に出て役に立たないから。

 今、ITが支配的な産業になっている。そういう業界に出ていったらメカニズムの世界になる。スマートフォンやPCの操作のような、そちらの知識が重要になる。政治学というのはそういう実学ではないので、興味を持たない人が多いと思う。政治を学ぼうという若い人は非常に少ない。

●現体制に甘んじる日本人

――ネット全盛の時代、特にポピュリズムに世論が走るのは危険だと感じます。

山崎: 民主政治では「国民は自らの水準以上の政府を持つことはできない」という言葉があるように、国民一人一人の水準によって政治の水準が決まります。水準が低いということは民主政治のレベルが低いということであって、成熟した国家とはいえないですよね。

 識字率の低い国の民主政治というものは一握りのエリートに牛耳られる可能性が高い。日本の場合はそれほどレベル低くないけれど、高くもないですよね。

 だいたい、安倍さんも麻生さんも間違った言葉を使ったことがある。政治家もレベルが落ちたし、有権者もレベルが落ちたのです。豊かにはなったが。思想的にはまあ、社会に反抗する人は少なくなった。社会というのは体制とも言うべきです。

 現体制とはつまり自民党の体制のことですけれども、これに反発する者は非常に少ないと思う。現状に甘んじているから。現状が悪くないからですよ。何かやってれば飯が食えるから、日本は。そういう社会に日本はなっているから。それは今までの政治が良かったからであって、これからの政治がいいとは限らないですね。

――特にネットの世界で読者とメディアのレベルの低下は問題になると思います。

山崎: ネットの役割は大きくなったと思います。僕は全くネットに接しないので分かりませんけれども。まあ、“ネット階層(ネットを主に見る人)”というのが増えているのは間違いないので、あなた方(ネットメディア)の役割は重要だと思います。

 だけれどやっぱり、新聞、いや本も売れなくなっているけれども(本に)僕は帰るべきだと思いますね。僕はそういう世代ですから。読書量が教養を規定し、教養が政治の水準を決める。国民は自分以上の水準の政府を持つことができない、そういうことなのです。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

「山崎拓氏に独占取材 「安倍一強」支えるネット世論を斬る」のコメント一覧 30

  • 匿名さん 通報

    本を読むと言うのは思考の仕方を読む事だと思うんだけど、ネットだけの人間というのは浅い情報に踊らされるだけで思考が無いんだよね。「国民は自分以上の__」と言うのもまったくその通りだと思う。

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  • 匿名さん 通報

    紙の新聞を読んでいない奴に限って新聞批判をする。自分が読みこなせない媒体の存在が憎いんだろうね。本当,今の日本にお似合いの政府だと思います。

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  • 匿名さん 通報

    愛人を二度も中絶させただけではなく、放尿プレーや、愛人の母親を交えた3Pを懇願した山崎拓氏の言葉には説得力がある!

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  • 匿名さん 通報

    コメントを読むとその人の程度がわかる。今の国会をみると程度の低い国会だなあと思う。

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  • 匿名さん 通報

    安倍とかネトウヨとかの売国奴が

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