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中国「虹彩認証」で銀行カードは不要に。銀行自体も不要な時代に?

2017年12月4日 06時08分 (2017年12月5日 05時48分 更新)

中国「虹彩認証」で銀行カードは不要に。銀行自体も不要な時代に?(写真=PIXTA) ((ZUU online))

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中国の銀行を取り巻く環境は大きく変化した。国有四大銀行(中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行、中国銀行)と、BATJ(バイドゥ、アリババ、テンセント、京東ジンドン)との提携はその最たるものだろう。銀行はそれなりに改革を指向している。その一つとして複数の銀行が、ATMの虹彩認証を採用した。銀行カードは近い将来、不要となる。続いて銀行そのものも要らなくなるのではないか。ニュースサイト「今日頭条」が分析記事を掲載した。中国の銀行はどうなるのだろうか。

■ATMの虹彩認証

四大銀行の中国農業銀行、中国建設銀行、プライベートバンクの雄、招商銀行では、すでに虹彩認証を実現させた。

農業銀行のATM上には「刷臉取款」「Apple Pay取款」「無卡預約取款」と出てくる。「刷臉取が虹彩認証を指す。ここをタッチすると、50センチ離れたところに頭を固定し、額をはっきり出すように指示が出る。そして確認OKと出れば、次に身分証ナンバーが携帯ナンバーを入力する。続いて引出し金額、暗証番号と入力すれば現金が出てくる。銀行カードは必要なくなったのである。

農業銀行本部はすでに、営業店に対し積極宣伝するよう指示を出した。全国2万2064の支店や出張所、3万89の設置場所にあるATMを、虹彩認証を装備したATMに置き換えることを顧客に周知させるためである。

農業銀行はこの分野で最も先行している。これに続いて建設銀行と招商銀行でも、実験地区を設定し、試行を繰り返している。虹彩認証は農業銀行をリーダーとして、普及が進んでいくだろう。中国では「目だけで、飲食代を払う」時代が早晩訪れるのだ。

■虹彩認証の未来

虹彩認証は、銀行ATM以外でも急速に導入が進んでいる。

◎8月
・武漢鉄道駅で虹彩認証による入場を導入。
◎9月
・支付宝(モバイル決済プラットフォーム)虹彩認証による決済を開始。
・杭州市の複数のホテルで身分証確認が不要に。虹彩認証によるチェックインを受付け。
京東蘇寧(家電量販)虹彩認証による支払いを開始。
・北京市の公有マンション、虹彩識別により、不審者をチェック。
・北京師範大学、学生宿舎の出入りに虹彩認証を採用。

わずか半月のうちに、銀行カード、身分証、スマホ、鉄道切符、建物の鍵が瞳に置き換わっていった。馬雲(アリババ創業者)は「未来は、一対の瞳さえあれば、全世界どこへ行っても遮るものはなくなるだろう。“天”と我々の距離は確実に近くなっていく。」と述べている。銀行カードだけではない。「さようなら」となるものいくらでもある。

■銀行もさようなら?

11月末、中国工商銀行と京東金融は共同で、新しいオンライン上の銀行「工銀小白」を設立すると発表した。これはこれまでのネット銀行よりさらに進化し、実体というものがない。クラウドの情景の中にしか存在しないのだ。QRコードをスキャンすることも、アプリをダウンロードする必要もない。これは中国建設銀行が、アリババと提携して以来の重要な出来事であるという。なにしろ中国最大の工商銀行が、ネット通販業者、京東のイメージカラー「紅」に染まってしまったからだ。

銀行カードどころではない、伝統的銀行そのものが「さようなら」の危機である。建設銀行がアリババと提携したとき、同行は「反徒」「病人」と銀行業界から罵倒された。しかし今の建設銀行は、もうアリババ抜きではやっていけない。そういう局面が、中国最大の銀行をも蔽いつつあるのだろうか。「銀行カードよ、さようなら」は「伝統的銀行よ、さようなら」の序章となるののかも知れない。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

ZUU online

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