<新日鉄住金>日本製鉄に来春変更 70年ぶりの「日本」

2018年5月16日 20時10分
 新日鉄住金は16日、来年4月1日に社名を日本製鉄に変更すると発表した。6月下旬に開催予定の株主総会で提案し、承認を得て変更する。戦前・戦中に存在した半官半民の鉄鋼メーカー、旧日本製鉄とは異なる法人だが、約70年ぶりに「日本」を冠した鉄鋼メーカーが誕生する。

 東京都内で記者会見した進藤孝生社長は「世界各地での事業展開を強く推し進めており、日本発祥の製鉄会社としてふさわしいより包摂的な商号にする」と変更の理由を説明した。新日鉄住金は16日、昨年3月に子会社化した日新製鋼を来年1月に完全子会社化することを発表したほか、今年3月には特殊鋼メーカーの山陽特殊製鋼の子会社化の検討を表明しており、グループ全体を体現する企業名とするのが狙いだ。一方、経営統合した旧住友金属工業を表す「住金」が消滅するとの見方については「新日鉄という名前もなくなり、住金もなくなり、日本製鉄になる。統合がうまくいったからこういったことができる」と説明した。

 旧日本製鉄の読み方は「にほん」だが、新生日本製鉄は「にっぽん」で別法人。旧日本製鉄を巡っては、太平洋戦争中に日本に徴用されて労働を強いられたとして韓国の元徴用工らが新日鉄住金を後継企業とみなして損害賠償を求めている。進藤社長は「あまり意識はしていない」とした。

 また、新日鉄住金は同日、同社と子会社の日新製鋼のステンレス鋼板事業を同じく子会社の新日鉄住金ステンレスに事業統合することも発表。自動車や建材として用いられるステンレス鋼板事業は、中国の過剰生産などで採算性が悪化しており、統合によって、収益力を高める考えだ。事業統合は来年4月の予定。【横山三加子

 ◇キーワード・新日鉄住金

 旧新日本製鉄と旧住友金属工業が経営統合して2012年10月に発足した日本最大の鉄鋼メーカー。16年の粗鋼生産量は4620万トンで世界4位。

 旧新日鉄は1970年に旧八幡製鉄と旧富士製鉄が合併して発足した。旧八幡製鉄と旧富士製鉄の前身は、戦前・戦中に存在した半官半民の旧日本製鉄だ。一方、旧住金は49年に新扶桑金属工業として設立し、52年に会社名を変更した。

 旧新日鉄と旧住金は2003年にステンレス事業を統合したのを手始めに、世界的な競争激化に対応するために経営統合まで発展させた。また、新日鉄住金は17年3月に国内鉄鋼4位の日新製鋼を子会社化したほか、今年3月には山陽特殊製鋼の子会社化の検討を始めている。