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育児に知識は必要ない? 子育ては教科書通りにいかないけれど...

2018年7月14日 06時30分

■知れば親子ともに精神的に楽になることも




出産したものの、「赤ちゃんを抱っこするのもオムツ替えをするのも怖い」という新米ママは少なくありません。それまで赤ちゃんを抱っこしたことも、小さな子どもに接したこともなく、「子どもと触れるのは我が子が初めて」という女性は現代では大多数でしょう。



それでも里帰り出産を経て自宅へ戻れば、母親がほぼ一人きりで育児をするのが現代のスタンダードと言ってもいい状態になっています。産後うつ、産後クライシスなどの問題が叫ばれていますが、そもそも「知識も経験もゼロの母親が一人で育児をする環境」自体に問題はないのでしょうか。



昔は身近にたくさんいた育児の経験者がいなくなり、育児未経験の夫婦のみで子育てを担う現代だからこそ、育児の知識をつける必要性を感じます。一方で、「教科書通りにはいかないから知識は不要」「逆に育児書に苦しんだ」という声もあるでしょう。はたして本当に育児に知識はいらないのでしょうか。



■育児は教科書通りにはいかない



教科書通りに育児をしようとして苦しんだ経験は、3人の子をもつ筆者にもあります。



1人目の産後、産院から「授乳は3時間おきにしてください。最低でも2時間は空けるように」といわれ、毎日こまめに時間を記録し、いくら泣かれても時間がくるまであやし続けていました。曾祖母から「新生児期は欲しがるだけあげていい」と言われましたが、当時は病院の言うことを忠実に守るべきだと思っていました。



同じことは他でもあるようで、「赤ちゃんが泣いてるから嫁に授乳したらと言ったら、『3時間経つまであと15分ありますから』って返されたのよ(笑)」と話す60代の女性に出会ったこともあります。2人目以降は「欲しがるだけあげてよい」と別の産院から聞き、時計を見ることもなく頻回授乳をし、スムーズな新生児期を過ごしました。



3人をみれば、成長や発達、性格や体質もバラバラ。たとえば歩き始めでも上から「1歳4カ月、1歳、10カ月」と異なります。アレルギーがある子もいればない子もおり、食が細い子もいれば食べるのが大好きな子もいて、大人しい子もいればヤンチャな子もいます。



人間も生き物ですから、その子によって、またその時によって状況も異なり、教科書通りにはいかないことも多いでしょう。特に発達の速さや体重の増え方では、普通でないことに思い悩むママも少なくありません。



■知らないと親子共に苦しむことも



その一方で、育児をする上で「知っておけばよかった」という知識もたくさんあります。たとえば、子どもの反抗期について。



2~3歳はいわゆるイヤイヤ期である「第一次反抗期」。親としては手を焼いて「反抗期は困ったもの」「自分の育て方が悪かったのかもしれない」と悩む人もいますし、スーパーで泣く子を見て「親のしつけがなっていない」と思う人も少なくありません。



一方で児童精神科医の佐々木正美氏は、著書『子どもへのまなざし( https://www.amazon.co.jp/gp/product/4834014738/ref=as_li_qf_asin_il_tl?ie=UTF8&tag=navipla-22&creative=1211&linkCode=as2&creativeASIN=4834014738&linkId=187781135dbfecfa2a0c354a827538ef )』(福音館書店)で「子どもは自分を確立していくために、たえず依存と反抗を繰り返します。(中略)保母さんや先生方にはよく言うのですが、子どもたちから思いきり依存される保育者になってください、そして思いきり反抗を受け止められる先生になってほしいと。(中略)子どもは親を信じているから反抗しているのだと、認識していればいいのです」と言います。



子どもの反抗に怒ったり、甘えられると「甘えないの! 自分でできるでしょう」と突っぱねる人もいるでしょう。佐々木氏は甘えを受け止めることが大切で、依存と反抗がないと自主性や主体性が育たないと同著で述べています。



また、小学校英語指導者資格のテキストの児童心理学の部分には、以下のような記載があります。



「子どもは、発達とともに、他の人の心をしだいに推測できるようになりますが、この行為は4歳までは難しいと考えられています。(中略)
4歳→ほかの人の心を理解し、推測できる
5歳→表情から相手の気持ちがわかる
6歳→友達の気持ちをより深く想像できる」



出所:『小学校英語指導者資格認定 アルク児童英語教師養成コース』(アルク)



子どもは自分中心の世界から、徐々に相手の気持ちがわかるようになっていきます。それなのに2~3歳で「何でお友達の気持ちがわからないの」と怒られれば、子どもも困りますし、親も悩んでしまうでしょう。児童心理学などで教えられる知識を親がもっていれば、子どものためにも良いですし、親も育児の悩みが減るように思います。



■母子手帳だけでは足りない



育児においては知識が助けにもなれば、知識に苦しめられることもあります。また、育児においては未だ解明されていないこともあり、5年前の育児と今では言っていることが真逆ということもあります。



育児だけでなく何に対する知識でも同じですが、知識のみでは足りません。実際に自分で経験を積み、他者の意見を聞くことも必要です。知識を鵜呑みにするのではなく、自ら新たな情報を収集したり、自分にとって必要なものを取捨選択することも必要でしょう。それらを踏まえた上で、育児の知識はやはり必要だと思います。



現在は妊娠中に母子手帳が配られ、産後に1カ月健診、3~4カ月健診、1歳半健診、3歳健診が義務付けられています(自治体によって6~7カ月健診、9~10カ月健診などの場合もあります)。しかし、それでは足りません。妊娠中や育児中に育児の知識を学ぶ機会を設けるべきではないでしょうか。



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