flumpool ベース・尼川が作詞、作曲を手がけた「産声」は「すごく楽しい曲作りになりました」

■flumpool/New Album『EGG』インタビュー(2)

EGGの輪 ~5つの音楽サイトがタッグを組んでアルバム全曲を大解剖!!~

3月16日にリリースされるflumpoolの3年半ぶりのフル・アルバム『EGG』に収録される全14曲を、5つの音楽情報サイトがタッグを組み1曲づつ大解剖。エキサイトミュージックは、「解放区」「産声」「明日キミが泣かないように」を担当。他の楽曲解説は『flumpoolオフィシャルEGG特設サイト』をチェックしてみよう。

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flumpool ベース・尼川が作詞、作曲を手がけた「産声」は「すごく楽しい曲作りになりました」

「産声」
作詞:尼川元気 作曲:尼川元気 編曲:亀田誠治

――元気さんが初めて作詞・作曲をされたのが「産声」。かつて手掛けたのは「ベガ ~過去と未来の北極星~」(2012年。作曲のみ担当)だけでしたから、待望の第2作目ですね。

尼川元気(以下、元気):「べガ~」は駄作とまでは言わないですけど、flumpoolらしさにあえて寄せて“アテに行った”部分が強かったので、実は、僕としてはそれほど愛着がないんです……(笑)。でも、今回は完全に個人的な趣味の方向で作った曲で。メンバーに聴かせてもし無理なら「別に、flumpoolで使わなくてもいいや」と思っていたんです。“尼川元気曲”としてというか、何なら謎の覆面アーティストとして動画サイトで発表すればいいかな、と。

一同:(笑)。

元気:「ベガ~」の時はイメージはあるけど、アレンジャーさんに頼らないと自分では形にできないという状況だったんですけど、今回は一生のスタジオで一緒に作れたのが大きかったですね。まずは僕の家で、ドラム、ベース、ギター、ボーカルを入れて、あとは、トランペットの音を口で真似して「ふーふふふふー」と入れて(笑)、携帯電話で録って。それを持って一生のスタジオへ行って、イメージしている音を出してもらって、打ち込んでいくという作業をしたので、すごく楽しい曲作りになりましたね。アルバムに入ったら浮くかな?とも思ったんですが、「入れてもいいよ」とメンバーも言ってくれて。いつの間にか間口の広い、懐の深いバンドになっていたんだなと感じましたね。

――無理せず、自分が自分のままバンドに存在できる、それを象徴している曲になっていますよね?

元気:うん、そうですね。特に僕なんか1曲だけなので、やりたいことを全部した、より濃い仕上がりになりました。

――一生さんは、この曲を元気さんが持ってこられた時、どういう印象でしたか?

阪井一生(以下、一生):「どんなドラムパターンやねん!?」と最初は思っていました(笑)。初めから「いい曲」だとは思っていたんですけどね。どういう方向に持っていきたいのか、まだわからなかったので。詳しくイメージを聞いていくと、例えば「サビは皆で歌ってる感じ」だとか、元気のやりたいことが見えてきて、「なるほどね」って。

元気:一生が、「俺、まだ2回しか弾いてみてなくて、ノリで録ったから全然まだダメだけど……」と言いながら入れて来たギターソロ。僕としてはイメージにピッタリだったんですよ。でも、「全然まだ納得行ってない」みたいなトーンで一生は言って来たから、「いや、俺はめっちゃいいと思うけどな」と返したら、結局そのまんまになりましたからね(笑)。「自信なかっただけかい!」っていう(笑)。

一生:そうそう。元気に「いい」と言われたら、「ああ、良かった」とホッとして。

元気:(笑)。思っていた感じの広がり感があって、いいギターソロになりました。

――誠司さんは、ドラムのアプローチはどのように?

小倉誠司:確かに最初は僕も「どんなドラムやねん?」と思いましたけど(笑)。今まで一生が作ってきたデモ音源には慣れているので、多少のことは大丈夫なんですけども。今回のようなパターンの発想は僕にはなかったですね。普通のドラマーはしないアレンジというか、リズムなので。でも、それはそれで新鮮ですごく面白い。「この曲を聴けば尼川元気という人間がわかる」、そんな楽曲だなと思います。最初のあのホーンのメロが頭から離れない感じや、ノスタルジックな感じが個人的には好きですね。

――歌詞は生命の誕生をモチーフにしていますよね。

元気:タイミング的に親友にちょうど子供ができたので、曲にもピッタリとハマる気がしたし、それをテーマに歌詞を書いていきました。歌詞を書き上げて、サウンドにもさらに生感、生命力、人間味が欲しくなったんですね。だから、ホーンはどうしても生にしたくて。プロデューサーの亀田(誠治)さんは「打ち込みでいいんじゃないかな?」と考えてらっしゃったようなんですが。

――そこは戦ったんですか?

元気:一生に協力してもらって、「ここは生がいいかな~? 一生、どう思う?」みたいな感じで(笑)。

一生:二人して亀田さんに言いましたね。

――事前に打ち合わせをした上での、援護射撃を得て(笑)。隆太さんはご自身の作詞ではない曲を歌うのは初めてだと思うのですが、どんな感覚でしたか?

山村隆太(以下、隆太):元気のこだわりが強い分、自分とはやり方が違うところがあったので、不慣れで、結構手こずりましたね。やっぱり、「こういうメロディーならこういう歌詞を書く」という、ある程度決まった形が自分にはあって、それとはハマらないというかね。なので、「ここはこうしたらいいんじゃない?」と元気には提案してみたんですけど……。

元気:コイツ、めっちゃ変えようとしてくるんですよ!

隆太:あははは!

元気:「字数、こう減らしたらハマリいいんじゃない?」とか言って来るので。「ここは折れてはならない」と思って粘りました(笑)。

隆太:結果的に、作詞家が違うだけでこんなに曲が変わるんだという新鮮な体験もできたたのは良かったですよね。それがこのアルバムの面白さの一つになっていると思いますよ。
(取材・文/大前多恵)



≪リリース情報≫
New Album
『EGG』
2016.03.16リリース
flumpool ベース・尼川が作詞、作曲を手がけた「産声」は「すごく楽しい曲作りになりました」
EGG

【初回限定盤】(CD+DVD)
AZZS-42 / ¥3,800(税抜)

【通常盤】(CD)
AZCS-1051 / ¥2,800(税抜)

[収録曲]
1. 解放区
2. 夜は眠れるかい?
3. World beats
4. 今日の誓い
5. DILEMMA
6. 絶体絶命!!!
7. LINE
8. Dear my friend
9. 産声
10. とある始まりの情景 ~Bookstore on the hill~
11. 夏よ止めないで ~You're Romantic~
12. 輪廻
13. Blue Apple & Red Banana
14. 明日キミが泣かないように
<DVD> ※初回限定盤のみ収録
2016年の年明けにメンバー4人揃って撮り下ろした最新スタジオライブ
2015年の夏に開催した台湾でのライブ映像
シングル「夜は眠れるかい?」の初回限定盤DVDには収録出来なかったLIMITED TOURライブ映像+舞台裏に迫ったドキュメント
「夜は眠れるかい?」のMusic Video及び撮影時のドキュメント
アニメ『亜人』のティザー映像

≪ライブ情報≫
【flumpool 7th tour 2016「WHAT ABOUT EGGS?」】
4月2日(土) 福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
4月3日(日) 福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
4月10日(日) 福島・郡山市民文化センター 大ホール
4月16日(土) 石川・本多の森ホール
4月17日(日) 新潟・新潟県民会館
4月23日(土) 広島・広島上野学園ホール
4月24日(日) 広島・広島上野学園ホール
4月29日(金・祝) 神奈川・神奈川県民ホール
4月30日(土) 神奈川・神奈川県民ホール
5月5日(木・祝) 大阪・フェスティバルホール
5月6日(金) 大阪・フェスティバルホール
5月15日(日) 静岡・静岡市民文化会館 大ホール
5月21日(土) 北海道・ニトリ文化ホール
5月28日(土) 香川・アルファあなぶきホール 大ホール
5月29日(日) 愛媛・松山市民会館 大ホール
6月5日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
6月11日(土) 愛知・名古屋センチュリーホール
6月12日(日) 愛知・名古屋センチュリーホール
6月18日(土) 大阪・グランキューブ大阪メインホール
6月19日(日) 大阪・グランキューブ大阪メインホール
6月25日(土) 東京・東京国際フォーラム ホールA
6月26日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールA

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