
■YUKI/New Single『ポストに声を投げ入れて』インタビュー(1/2)
2016年第一弾シングルはポケモンとのタッグ
映画『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』の主題歌「ポストに声を投げ入れて」を、2016 年第一弾シングルとして7 月13日にリリースしたばかりのYUKI。“ポケモンとYUKI”という初めての組み合わせや映画に描かれた物語のキーワードになっている“ソウルハート”に影響を受けて書き下ろした今作は、柔らかなメロディに乗せた優しくて伸びやかなYUKIの歌声が印象的なミディアムナンバーだ。
(取材・文/松浦靖恵)
新しいことに挑戦したいという思いが自分の中で沸き上がっている
――2016年第一弾シングル「ポストに声を投げ入れて」は、映画『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』の主題歌として書き下ろした曲ですが、まず“ポケモンとYUKI”という組み合わせはとても意外に思いました。
YUKI:ファンの方からも、ビックリしました!という反応が多くあって。私とポケモンの組み合わせって、そんなに意外なんですね(笑)。新しいことに挑戦したいという思いが自分の中で沸き上がっているところに、本当にタイミングよくこのお話を頂くことができたので、とても嬉しかったです。これまでになかった組み合わせだからこそ、いろいろな挑戦ができると思いました。
――何かがきっかけになって、新しい挑戦をしたいという思いが膨らんでいたんですか?
YUKI:これまで私は、自分が一番大切にしていることを誠実な気持ちで伝えてきたけれど、最近の自分はこういう人で、こういう歌が自分らしい、というところで固くなっていたような気がしていたんです。そういう思いから、昨年アリーナツアー(【YUKI LIVE dance in a circle '15】)が終わったあとに、これまでやったことがないことをしたい、私が知らない世界に挑戦してみたいという話をスタッフに投げかけていたんです。たとえば、私はアニメーションの世界はそんなに詳しくないけれど、今回のように、そこに飛び込んでみることで面白いことができるんじゃないかとワクワクしましたし、たとえそれが意外な組み合わせだったとしても、これからも続く私の音楽生活の中で、自分の可能性を広げるというのは私自身にとって前進の意味がすごくあると思いました。
“僕”と“君”で歌詞を書くのはとても珍しいこと
――YUKIさんはどのようなイメージを持ってこの主題歌を作っていったんですか?
YUKI:これは新しい挑戦だったので、1曲作り上げるまでに今まで以上に時間がかかりました。まず“ポケットモンスターの主題歌”という“お題”を考えると、ポケモンの映画は小さなお子さんたちがたくさん観に来られますし、YUKIを知らない人もいらっしゃるでしょうから、聴いてくださる人を限定しないというところで、選曲の段階から気合いが入りましたね。そしていつものように私が曲を選んでしまうと、自分の好みや癖が出てしまうと思ったので、今回はスタッフの方たちに選曲をしていただきました。たとえばスタッフが選んだ曲の中に、自分だったら選ばないようなタイプの曲があっても、歌ってみることで自分はこういうことができるんだ、こういうものも好きなんだなという発見がありました。
――選曲をスタッフに委ねた以外に試みたことはありますか?
YUKI:作詞の作業ではどうしても自分が出てしまうので、今回はなるべく自分を出さないようにしようと、最初に一人称を“僕”にしようと決めました。「2人のストーリー」は男性目線で書いた歌詞でしたけど“僕”ではなかったですし、これまで“僕”と書いた歌詞は意外と少ないので、そういう“しばり”を作るのもチャレンジのひとつでした。今回のように“僕”と“君”で歌詞を書くのはとても珍しいことですね。
――歌詞を書く前に映画の脚本を読まれたそうですね。
YUKI:はい。今回の映画は“ソウルハート”が重要なテーマとなっている物語になっていて。新しいポケットモンスターのキャラクター・ボルケニオンは、人間に傷つけられて人間不信になってしまうんですけど、どんな扱いを受けても、いろいろなものを壊されても、信じてみたらいいことだってあるんだという感情を、サトシくんとピカチュウの関係や仲間たちが気づかせてくれるんです。私は仲間という関係性や友達の存在を思い出す時、自分の中学の頃の思い出と強力に結びつくんですね。この歌詞は、地元(函館)の中学で出会った一人の友達を思いながら書きました。その友達は東京へ引越しをして遠く離れてしまったけれど、私たちは毎日のように手紙を書いていたので、いつも繋がっていたんです。歌詞を書きながら、彼女との思い出をたくさん思い出しましたね。
――“ソウルハート”というワードに刺激されて、YUKIさんの10代の頃の記憶の扉が開いてしまったんですね。
YUKI:はい。毎日のように手紙を書いていたからなんでしょうね、あれからずいぶん年月が経った今でも、彼女が当時住んでいた住所をなんとなく覚えていて、自分でも驚きました(笑)。
――冒険、消しゴム、虹、夕焼け、仲直りなど、子供たちがイメージしやすい言葉がいくつも並んでいるのは、やはりポケモンの主題歌だからでしょうか。
YUKI:そうですね。やはり今回は、いつも以上に単語の一つひとつを難しくしないように意識しながら書いていたような気がします。わかりやすい歌詞だと思いますし、メロディもとても優しいので、みなさんが口ずさんでくれたらとても嬉しいです。そして、大切な人や大好きな人を思い浮かべてもらえたら嬉しいです。

自分で自分をもどかしく思っている私の思春期がこの詞になっています
――表題曲がポケモンの主題歌なので、カップリング曲を「僕のモンスター」にしたのは、もしかして“モンスター繋がり”ですか?
YUKI:モンスター繋がりです(笑)。と言っても、歌詞を書いている時にふと“モンスター”という言葉が出てきたんですけど。
――思春期ソング?
YUKI:はい。この歌詞にも地元にいた頃の私がいます。思春期の頃の私は、自分の体のどこからか生まれてくる衝動に追いついていくことができずに、いつも苛立っていたんです。夢ばかりが大きくて、過大評価して膨れ上がった自分に、小さな自分自身が追いついていかないから苛立ってしまう。どうやってもそれを止めることができないし、あふれ出てきてしまうそれはまさにモンスターでした。自分のモンスターとなかなか折り合いがつけられなくて、自分で自分をもどかしく思っている私の思春期がこの詞になっています。
――昨年行った約4 年ぶりのアリーナツアー【YUKI LIVE dance in a circle '15】の最終日、日本武道館公演を収録したDVD & Blu-rayがシングルと同日発売されました。あの日本武道館公演は2014年10月から2015年11月までの約1 年間に、それぞれコンセプトの異なる3本のツアー(「Flyin’ High」「Dope Out」「dance in a circle」)を行い、57本ものライブを積み重ねてきたその集大成とも言えるステージでしたね。
YUKI:1年間ライブをやり続けたことで、私自身も歌唱も鍛えられていったので、どんどん怖いものなしになっていきました(笑)。
――現在はレコーディングをしているそうですね。
YUKI:はい。レコーディングは楽しいです。今回のシングルを作っている過程で、私は歌手としてまだできることがある、まだやりたいことがある、と思えたので、これからもいろいろなことに挑戦をしていきたいです。新しい曲をたくさん作って、たくさん歌って、作品を残していきたいです。
――インタビュー2へ
≪リリース情報≫
New Single
『ポストに声を投げ入れて』
2016.07.13リリース
【初回生産限定盤】(CD+DVD)
ESCL-4640~1 / ¥1,429(税抜)

【通常盤】(CD)
ESCL-4642 / ¥971(税抜)

【期間生産限定盤】(CD)
ESCL-4643 / ¥800(税抜)

[収録曲]
1. ポストに声を投げ入れて
※以下、初回生産限定盤、通常盤のみ収録
2. 僕のモンスター
<DVD> ※初回生産限定盤のみ収録
1. ポストに声を投げ入れて -Music Video-
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