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ももいろクローバーZの新たな魅力を発見

2018年1月22日 12時15分
5人組アイドルグループ、ももいろクローバーZの最大の魅力は、百田夏菜子の“エビ反りジャンプ”に代表される“全力パフォーマンス”である。はち切れんばかりの笑顔を浮かべ、全身を使って躍動する彼女たちに惹かれた“モノノフ(ももいろクローバーZのファン)”たちは、メンバカラーのT シャツやタオルなどのグッズを身にまとってライブ会場に集結し、サイリウムを掲げながら声を枯らして、歌い、叫び、ジャンプしてきた。だが、演者も観客もお互いのそんな武器や楽しみを制約された時、果たしてどんな風景が見えるだろうか。

■女性アイドルグループ初の『MTV Unplugged』に抜擢

グループ結成から10年目に突入した彼女たちは、音楽専門チャンネル『MTV』の人気シリーズ『MTV Unplugged』に出演した。『MTV Unplugged』に日本人の女性アイドルグループが出演するのは彼女たちが初めて。このライブはスタンディング、コール&レスポンス、サイリウムが禁止されており、ピアノ、ギター、ベース、パーカッション、4人のストリングス隊の8人編成による生のバンドを従えたステージには、激しく踊るスペースもない。そんな『MTV Unplugged』独特の厳かなムードに百田は、リハーサルで「音楽から程遠かった私たちが、音楽と向きあう場所をいただき嬉しいです。」と挨拶していた。さらに本番では「10年近くインチキやってきて、一流の人しか立てないステージに立たせていただけて」と語っていたが、これは謙遜にすぎない。彼女たちは、今年の夏に開催した4年ぶりのスタジアムライブは2日間で延べ10万人もの観客を動員した。インチキだけで、これだけの人数を集められるはずがない。他に類を見ない演出という見せ方の面白さがあるにせよ、それも彼女たち個々が新しく刺激的な演出に応えられる力があってこそ成り立つものだ。

■活発化するソロアーティストとしての活動

また、近年の彼女たちは個々のスキルアップにも積極的に励んできた。2016年に横浜アリーナでソロライブを開催した佐々木彩夏は、2017年には両国国技館での2デイズ公演に拡大し、8月にメンバーとして初のソロシングルをリリースした。同じく2016年にソロとして横浜アリーナに立った有安杏果は、2017年10月には初のソロアルバムをリリースし、単独での日本武道館公演も開催。高城れには2017年3月に3度目のソロコンサートを地元の神奈川県民ホールで行った。女優としての評価も高い百田夏菜子と玉井詩織は、音楽とは別のフィールドで表現力を磨きながら、百田は山寺宏一とのデュエットによるアニメ主題歌を歌い、玉井は音楽番組でピアノやシンガーソングライターのmiwaとアコギを演奏。高城が「ももクロの挑戦ですね。新しいももクロを見せたい」と意気込んだように、それぞれが一人のアーティストとして確実にステップアップした先に用意されたライブでもあったのだ。

■音楽と正面から向き合った1時間で見えた未来
(C)HAJIME KAMIIISAKA

本番での彼女たちは、これまでになく“歌うこと”だけに集中し、時には大人っぽい表情も見せていた。有安が4人のユニゾンを一人、下ハモで支えた『サラバ、愛しき悲しみたちよ』、個性の異なる歌声だけで楽曲のスケール感を広げていった『WE ARE BORN』、百田、玉井、有安の3声から始まる『DNA狂詩曲』には、ボーカルグループとしての可能性の広がりを感じたし、フェイクやユニゾン、何気ないロングトーンのたおやかな響きにどきっとする瞬間も多かった。ライブ後半にはダンスを解禁し、アンプラグドバージョンの振り付けも披露。『行くぜっ!怪盗少女』では、有安のエモーショナルなフェイクから、百田の“エビ反りジャンプ”ならぬ“エビ反りシンバル”も飛び出した。

ライブが終わった後、百田が「最後だけみんなと大声を出していいっていう許可を得ました」と観客に語りかけ、おなじみの挨拶を全力で行い、歌に真正面から向き合ったライブを締めくくったが、この日の舞台となった鶯谷・東京キネマ倶楽部は2011年に早見あかりが脱退した翌日から1週間にわたって展開されたトークバトル『試練の七番勝負』を行い、“ももいろクローバー”から“ももいろクローバーZ”へと進化した思い入れの深い場所でもある。いわば第2幕の幕開けを飾った舞台に6年ぶりに帰ってきた彼女たちは、いつか振り返った時に、このライブが、アイドルからアーティスへの道を歩み始めた第3章の始まりだったと感じる日がくるかもしれないと思わせる1時間であった。

Writer:永堀アツオ
(提供:ヨムミル!Online)

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