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SKY-HIが目指す世界とは? AAAの一人ではとどまらない魅力

2018年3月26日 10時30分
SKY-HI――その名だけを知っている人は「なんかラップをしてる人」「アイドルグループの一人でしょ?」なんて言うかもしれない。しかし、それは彼の一面すら知らないと言ってもいい。

男女6人組のパフォーマンスグループAAA(トリプル・エー)のメンバー・日高光啓として人気を博す一方で、ソロアーティスト“SKY-HI”としても勢力的に活動。2017年だけを見ても、日本武道館での2DAYS公演、海外公演を含むライブツアー、Czecho No RepublicやMIYAVIとのコラボレーションなど、その活動はジャンルに縛られることなく多岐にわたっている。ここでは簡単には語り尽くせないSKY-HIの魅力について、ほんの一握りだけでも伝えたいと思う。



■アーティストとして個人として、声を上げ続ける

そんな彼がYouTubeのプライベートアカウントで公開した『キョウボウザイ』『0570-064-556』という2本の動画は、これまでとはまた違った層から彼が注目を集めることとなった。

『キョウボウザイ』(https://www.youtube.com/watch?v=oI4HFuBClnM)では国会において共謀罪法案が可決されたことに対して、声をあげない世間に疑問を投げかけた。しかもそのスピード感が凄まじい。可決されたのが2017年6月15日で、この動画が公開されたのが6月20日。いくら即興ラップが得意といえど、この行動の速さは特異としかいいようがない。また公開後のラジオでは共謀罪法案が世間から忘れられることへの懸念も示している。今がまさに、そうなっていないだろうか。

『0570-064-556』(https://www.youtube.com/watch?v=yjEeeHQ2Y48)は、アメリカのラッパー、ロジックの『1-800-273-8255』をビートジャック(他人のトラックでラップすること)したもの。“1-800-273-8255” というのは、アメリカの自殺防止ホットラインの番号だ。自らの手で人生を終わらせようとする人を救うために生み出されたこの曲に感銘を受け、日本における自殺防止ホットラインの番号を冠にし自殺対策強化月間(この時は9月)前に合わせて公開された。

彼は自身のブログで「人生には闘わなきゃならない時は、確かにあるけれど、それなら同じくらい逃げていい時があるはず」と、言葉を添えている。その思いがリスナーに届いていることは、彼のSNSに対するレスポンスを見るだけでも明らかだ。

■リアリストでありロマンチスト

共謀罪や自殺問題など、日常に関することを歌うSKY-HIはリアリストだ。それはAAAという看板に甘えることなく、渋谷のクラブから這い上がってきた彼だからこそ持っている視点があるからなのかもしれない。武道館ライブを経験しても、彼はいつだって私たちと大きく変わらない現実を生きている。そうでなければ、渋谷でサイファー(複数人が輪になって即興でラップをすること)に、当たり前のように混ざるなんてこともできないだだろう。

一方で、とてもロマンチストなのではないかと感じる面もある。2017年10月に発売された配信限定アルバム『Marble』に収録された表題曲『Marble』では、“多様性を愛そう”というメッセージを歌っている。現実ばかり見ていると、その多様性に苦しめられることが多いと思うが、彼は多様性が混ざりあう世界の素晴らしさを知っている。それと同時に、お互いの多様性を尊重した世界ができることを信じている。そうでなければこんなにも壮大な曲は作れないと思うのだ。

Writer:坂井彩花
(提供:ヨムミル!Online)

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