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変身をやめなかったチャットモンチーの12年間。完結までを振り返る

2018年3月26日 10時40分
2017年11月24日、チャットモンチーが“完結”することを発表した。ラストワンマンライブとなる、2018年7月4日の日本武道館公演を経て、2年ぶり2度目の主催フェス『チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018 ~みな、おいでなしてよ!~』がバンドとして最後のライブとなる。2005年にメジャーデビューしたチャットは2018年の今年、実に12年のバンド史に幕を閉じようとしている。チャットにとって大きな転換期となったのが、2011年のドラム・高橋久美子の脱退。橋本絵莉子と福岡晃子と高橋によるチャットの3人時代が6年、それ以降、2人でのチャットが7年。彼女たちは何度も何度も変身を遂げ、完結へとたどり着いたのだ。本稿では、筆者が独断と偏見で選んだ5曲と共に、チャットの12年間の歩みを振り返っていきたい。

■バンドサウンドを突き詰めていくスリーピース期

『恋愛スピリッツ』(2006年6月)
徳島インディーズ時代のゴリゴリに尖ったサウンドが色濃く残る1stアルバム『耳鳴り』(2006年7月)。その収録曲の中でも、図太い骨格となって、バンドの12年間を支えていくのが2ndシングル曲『恋愛スピリッツ』だ。橋本のアカペラによる歌い出し、歪んだハウリングのギターノイズを合図に、3人の演奏は鳴り始める。同アルバム収録の『ひとりだけ』、後の『ミカヅキ』『やさしさ』といったアルバムやライブのラストを飾るロックバラードの源流とも言える曲でもある。演奏としてはシンプルだが、歌詞に登場する“あなた”への思いを表すかのように、バンドの演奏は徐々に熱を帯びていく。

『余談』(2009年3月)
3rdアルバム『告白』(2009年3月)は、プロデューサー・いしわたり淳治に加え、新たに亀田誠治、そしてセルフプロデュースによるカラフルな楽曲が並ぶアルバム。3rdシングル『シャングリラ』(2006年11月)のヒット、日本武道館2days公演でバンド自体が躍進を遂げ、世間からの注目を浴びる中放ったアルバムの、実験的かつ遊び心に溢れた収録曲の一つが『余談』だ。特筆したいのは、橋本による歌詞。<ああ/そう/うん/いや/でも/べつに/そっか/なんか/あのさ>という揺れ動く心情をDメロに置きながら、<瞼の裏をスクリーンにして/明日の予告が観たい/楽しみで待ちきれないほどの/今日の続きがいいなあ>と希望を歌い、“余談”と括る。味わい深く、ライブナンバーとしても人気のある一曲。

『拳銃』(2011年4月)
ドラムの高橋が参加した最後のアルバムとなった『YOU MORE』(2011年4月)。シングル曲なし、“ユーモア”と“あなたを、もっと”を掛け合わせたアレンジ豊かな作品だが、チャット史上最も攻撃的なサウンドが『拳銃』だ。ハードロック、ヘビーメタルにも近いゴリっとした音で、当時フロアではモッシュが起こっていたほど。初期から残る尖ったバンド像を“もっと”突き詰めた結果の楽曲でもある。

■ツーピースとして変身するチャット

『満月に吠えろ』(2012年2月)
高橋の脱退をマイナスからプラスに転換し、2ピースバンドとしてチャットがどのような形で進んでいくのかを示したのが新体制一発目のシングル曲『満月に吠えろ』(2012年2月)だった。福岡はベースからドラムへ、ギターの橋本は新たにループステーションを導入。アルバムタイトルの『変身』が、既成概念にとらわれず演奏することの楽しさを見出したバンドの状態を表している。余談だが、この時期『恋愛スピリッツ』『余談』は、ツーピースとしていち早くライブで演奏。橋本がドラムを叩くスタイルで、ボーカルにもフェイクを取り入れるなど、ライブ毎に変化していくチャットがいた。

■徳島から上京するかつての自分に宛てた名曲

『majority blues』(2016年11月)
“男陣”“乙女団”というサポートメンバーを加えた大所帯バンド時代を経て、チャットは再び二人になる。のちに打ち込みのビートを取り入れた“メカットモンチー”として活動するのだが、2016年にリリースした『majority blues』(2016年11月)は対照的に音数の極めて少ないバンドスタイルでの楽曲。CM曲として大量オンエアされていたこの曲は、聞き馴染みのいいサビのメロディー、そして徳島から上京するかつての自分への手紙でもある。葛藤し、思い悩み当時の自分と同じ境遇にいる、今の世代に向けた応援歌だ。

チャットモンチーの活動初期より縁の深いスペースシャワーTVでは、彼女たちの過去の出演映像特集をはじめ、4月以降も色々な特集が組まれていく予定。

Writer:渡辺彰浩
(提供:ヨムミル!Online)

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