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<DEAD POP FESTiVAL>2日目、SiM「これからも信念を貫いていく!」/レポート

2018年7月8日 11時30分

レゲエ・パンクバンドSiM主催のフェス『DEAD POP FESTiVAL』。2018年7月1日に行われた同フェスの2日目の模様を一部レポートする。

04 Limited Sazabys


04 Limited Sazabys・GEN(Photo by kohei suzuki)

2日目にCAVE STAGEのトップバッターを務めたのは、04 Limited Sazabysだ。エヴィルな空間に独特のフレンドリーさを育んでいった彼ら。GEN(Vo.)が『みなさん、夜型の僕は朝が非常に苦手です』と告白するも、『キラキラしている僕たちが、実は悪魔だというのをみせたい』とオーディエンスを煽り、“knife”からライヴをスタートさせる。その言葉を体現するかのように放たれるアップテンポなナンバーに観客は初っ端から踊り狂い、サークルモッシュが各所で起こり、砂嵐が巻き起こる。『悪魔には光がよく効くので、この曲を捧げます』とGENの一声で投下されたのは「swim」。彼らのライヴの定番ソングの登場に、ステージの4人から放出される同曲を会場も全身で受け止め、楽しむ。午前中の一番手にしては激しすぎる……。ライヴ中盤では、『SiMとは今後もこうして互いのカッコ良さを何度も確かめ合いたい』と語ったGEN。朝いちばんからモッシュ、ダイブ、サークルモッシュを何度も連発させ、カオスな雰囲気を作り上げる彼らこそ真の悪魔なのでは、と思わせたステージであった。

10-FEET


10-FEET(Photo by kohei suzuki)

CAVE STAGE2番手の10-FEETへとバトンが渡ると会場前列のリフトアップの数がググンと増加する。このDPFへの出演は今年で3回目の彼ら。『倒れんなよ~。大怪我すんなよ~』とはボーカル&ギターのTAKUMAの第一声だ。それをキッカケに1曲目の2ビートナンバー「VIBES BY VIBES」が、その疾走感と共にフロアに飛び込んでくる。続いてそこに更にうねりを加えるが如くドライヴ感のある「1 size FITS ALL」に入るも、同曲ではジャージーな4ビートを交えたりと彼らの変幻自在さも味わえた。

打って変わりスリリングさからツービートに突入した「1sec.」では無数の高速サークルピットが生まれ、聴かせるミッドテンポの「太陽4号」に於いては、彼ら流の不器用な思いやりや優しさを場内に染み渡らせていく。

『意思があるフェスにはお客さんが集まる。それはSiMの変えたいとの思いがあってこそ実現したこと』(TAKUMA)と、「ヒトリセカイ」を始め、同曲が誇らしく逞しく気高く会場の隅々にまで響いていった。そして、一段と土埃を高く舞い上げた「RIVER」では、歌詞の一部を♪DEAD POP FES.♪に替えて歌えば、残り1分までも全力で出し惜しみ無きように、ラストは急遽「DO YOU LIKE...?」をインサート。ファストにショートにその場を締めた。

BLUE ENCOUNT


BLUE ENCOUNT(Photo by kohei suzuki)

DEAD POP FEST.への念願の出演を果たしたBLUE ENCOUNT。田邊駿一(Vo/Gt)は、登場するないなや『あー嬉しい! 今この場所にいることが幸せです!』とストレートにその嬉しさを伝えるも、「初出場だけど、ぼっこぼっこにしてやるから!!」との気概で挑んだ。「survivor」から勢いよくライヴが始まると、辻村勇太(Ba)が「そんなもんじゃねーだろ!」と会場を煽り立てる。間髪入れずに入った「LAST HERO」を始め、出演できた歓びを爆発させるかのように、力強いサウンドと歌い叫ぶかのような田邊の歌声で次々とライヴを展開していく。田邊は歌いながら満面の笑みを浮かべたり、ガッツポーズをするなど、終始同フェスでパフォーマンスできていることに興奮が止まらない様子だ。思い悩んでいた時期に、対バンしたSiMのライヴを観て、光明が差したかのように生まれた「DAYxDAY」を魂込めて歌い上げ、ラストには「もっと光を」も披露。『SiMやほかのかっこいいバンドみたいに、あなたを救ってみせるから、これからもよろしくお願いします!』と熱い言葉を残し、ステージを後にした。

東京スカパラダイスオーケストラ


10-FEET・TAKUMA、東京スカパラダイスオーケストラ(Photo by kohei suzuki)

スカパラはやはり百戦錬磨のライブバンドでありフェスバンド。どんな趣旨のフェスでも壁さえもぶち壊し、全てが幸せで円満な、その「壊し方」と、その後うまれる「ユニティ」を、この日も教示してくれた。「戦うように楽しんでくれよ!」とは、彼らのライヴの際によく飛び出す言葉なのだが、まさにこの日はその辺りを色濃く感じた。最近の彼らのフレーバーなラテンが活きた「Paradise Has No Border」に始まり、スカビートの軽快さの中、各人のソロのリレーションも耳を惹いた「スキャラバン」、歌モノスカパンクナンバー「Glorious」は、よりこの現場では冴え、スーツ姿の10-FEETのTAKUMAをボーカルに迎え歌われた「Samurai Dreamers<サビレルナ和ヨ>」が勢いの火に油を注いでいった。
SiM・MAH、東京スカパラダイスオーケストラ(Photo by kohei suzuki)

中盤ではSiMのMAHも登場。なんと「GUNSHOTS」のスカパラによるカバーが見られ、続けてMADNESSの「ONE STEP BEYOND」のカバーも楽しめた。後半は大団円とばかりに「DOWN BEAT STOMP」が高らかに歌われ、<パンキッシュさがやはり自分たちの出自>とでも言わんばかりにデビューナンバー「ペトラーズ」(ロシア民謡のカバー)で締められ、「楽しんでくれてありがとう」(谷中)の言葉を残し、彼らはステージを降りた。

THE ORAL CIGARETTES


THE ORAL CIGARETTES(Photo by kohei suzuki)

CAVE STAGEトリ前を務めたTHE ORAL CIGARETTES。『去年のDEAD POP FEST.終演後、MAHさんから一番早いオファーをもらいました! 約束守りに来たぞー!!』と山中拓也(Vo/Gt)の叫びとともに、SiMとの想い出の曲だという「Mr.ファントム」からライヴをスタートさせた彼ら。1日目、coldrainがバックステージまでも揺らしたことを聞いた山中はそれに対抗するため、「カンタンナコト」「狂乱Hey Kids!!」とライヴの定番ソングを次々と連射。あきらかにあきら(Ba/Cho)もベースのリフを刻みながら、その躍動感も交え、観客を煽りにいく。それに対して会場中も呼応。激しいヘドバンやモッシュで地面を揺らしていく。オーラルと観客のぶつかり合いの熱量が半端じゃない。

『東京に僕らの居場所を作ってくれたSiMのフェスは、オーラルにとっても特別なフェスです』とMCで伝えた山中。その言葉通り、同フェスでライヴができる喜びを胸に、全力でステージを展開し、オーディエンスを熱狂の渦に巻き込んでいく。ラスト「BLACK MEMORY」ですべてを出し切った山中が笑顔で倒れ込むシーンも、この日のハイライトのひとつとなった。そして、『ヤバTの“やまたく(=こやまたくや)”なんかより、俺らの方がよっぽど強いわ!』とCHAOS STAGEのトリを飾るヤバイTシャツ屋さんにバトンを渡したのだった。

ヤバイTシャツ屋さん


ヤバイTシャツ屋さん(Photo by Yasumasa Handa)

『さっきオーラルのやまたく(=山中拓也)が言ってたけど、ヤバTのやまたくの方が全然頭悪いし、顔も悪いけど、かっこいいライヴして、そのギャップでかっこいいと思わせたるわ―!』とこやまたくや(Vo/Gt)は粋な返しをし、場内が盛り上がったところで「Tank-top in your heart」からライヴがスタート。山中のファインプレー? もより熱狂に火をつけ、ヤバイTシャツ屋さんのステージはそこでは収まり切れず、CAVE STAGE方面にまでオーディエンスが達するほどの人気に。それこそ会場全体を、初っ端からお祭り騒ぎ状態に巻き込んでいった。中盤での「あつまれ!パーティーピーポー」ではシンガロングが巻き起こり、「スプラッピ スプラッパ」のカバーでは、オーディエンスたちが作り出す虹のゲートがさまざまなところに出現し、「無線LANばり便利」でWi-Fiの素晴らしさをオーディエンスとともに大合唱。これまでのDEAD POP FEST.の雰囲気とはかなり違ったヤバTならではの一体感の作り方で、会場の熱量をぐんぐん上げていく。ラストは「ハッピーウェディング前ソング」をパフォーマンス。「キッス!キッス!」「入籍!入籍!」と強烈なコールで一体感を作り上げ、大ラスのSiMへと繋いでいった。

SiM


SiM(Photo by kohei suzuki)

この2日間のオオトリは、やはりSiMがキッチリと勤め上げた。

いきなり伝家の宝刀とも言うべくツービートな「TxHxC」で幕を開けると、続くラガパンクの真髄を見せつけ、会場に横ノリを寄与した「paint sky blue」に於いてはレゲエの楽しみ方の一つ「ゴンフィンガー(人差し指と中指を突き立てて指で銃を形作るサイン)」をレクチャー。昨日に引き続きレゲエパンク出身の誇示と共にレゲエのマナーをも啓蒙していく。また会場の大合唱の中、力強く「Blah Blah Blah」に入ると同曲の特性とも言えるラテンポップ性が場内を激しく揺すり、同時に場内に無数のツーステップの光景を広がらせていく。

先ほどのスカパラのカバーに対し、本家を見せつけんとばかりに挑んだ「GUNSHOTS」では、あえてバンドとして、スカパンクとして同曲を表現。スカパラ・バージョンではカットされたウォブルベースやダブステップの要素もアピールさせていく。また「ゆったりと燃えるロックもある」とそれを体現するかのように放たれた「The Sound Of Breath」では、ゆったりとした中にオートチューンを映えさせ、幻想的な空間を生み出して行けば、「MAKE ME DEAD!」が切ないメロディとそこを超えた雄大さを味あわせてくれた。

『DEAD POP FEST.はこれからも信念を貫いていく!』との力強い場内とのアライアンスの後はラストスパートの2連射。会場からのレスポンスの声も一段と誇らしく響いた「JACK.B」、ラストは「Get Up,Get Up」が場内の無数のヘッドバンキングと共に渾身の力を込めて放たれ、間には、ボブ・マーリーの有名楽曲のフレーズを用い、ラストはラウドロックバンドの面目躍如、キッチリとドゥームにキメた。

アンコールは2曲。「KiLLiNG ME」「f.a.i.t.h」の強力チューンズで宴を締め、それらが会場の最後の力までも奪うかのような阿鼻叫喚な名場面を作り出していった。
DEAD POP FESTiVAL 2018(Photo by kohei suzuki)

今年もDEAD POP FEST.は終わった。振り返ると、今年もその趣旨通り、さまざまな壁を取り壊したり、乗り越え、その先に待っている各アーティスト有する独自性や素晴らしさに出会ったり、巡り会わさせてくれた。壁は高い分、それを越えた先に待っている景色は格別なものがある。今年もSiMは、その辺りをこのフェスを通し我々に教え、気づかせてくれた。

来年はどんな高く強靭な壁が用意され、それを壊したり、乗り越えた先に待っている見たこと、味わったことのない景色や光景を味あわせてくれるのだろう? 気が早いが、私は今から既にそれが楽しみでならない。

取材・文/池田スカオ和宏、日野綾

DEAD POP FESTiVAL 2018 初日のライヴレポートはこちら
「DEAD POP FESTiVAL 2018」公式サイト

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