0

TEAM Hの内省的かつ生々しくも美しいドキュメント作品 5thアルバム『Mature』/レビュー

2018年9月6日 14時00分

TEAM H/9月5日に5thアルバム『Mature』をリリース


チャン・グンソクと、その大学時代からの友人でありサウンド・プロデューサーのBIG BROTHERによるダンス・ミュージック・ユニットTEAM Hが、9月5日(水)、5thオリジナル・アルバム『Mature』をリリースした。

前作『Monologue』はアップテンポで音圧の高いEMDサウンドが特徴的で、緊迫感に満ちたエネルギッシュな作品だったが、『Mature』はそれとは異なる穏やかな質感を湛えたアルバム。幕開けを飾る「Mature」はスリリングなデジタルビートに貫かれているものの、「I Can't Stop」以降その緊迫感は融解する。従来通り、生音とデジタルがミックスされた音像ではありながら、EDMのパワフルなビート感というよりはエレクトロ、テクノポップ的な軽やかさが際立つ。迫り来るような強さは鳴りを潜め、ピアノやギターの音色が柔らかく響き、音と音との間の余白に耳を澄ませるのが心地よい。歌のメロディーも繊細で美しく、心の微妙なニュアンスを感じ取ることができる。何より、それらを歌う2人の歌声も等身大でナチュラルなものへと変化しているのだ。

「I Can’t Stop」では悲しみを、「Cry Out」では暗闇の中での孤独を、「LOVE」では真っ直ぐに愛を歌い、詞世界も深化した。グンソクが監督を務めたMVが公開されて話題となった「Summer Time-Japanese Version-」は、日本語詞になってみると改めて、その切なさが直に伝わって来る。盛夏を明るくハイテンションに楽しむのではなく、二度と来ない今という時を精一杯生きる、という痛々しいほどに真摯な覚悟。10代、20代の頃とは変わってきた彼らの人生観、時間を尊く想う切実さが反映されているように思えてならなかった。

関連キーワード

「TEAM Hの内省的かつ生々しくも美しいドキュメント作品 5thアルバム『Mature』/レビュー」のコメント一覧 0

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!