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"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは?

2009年12月2日 15時00分

役所広司初監督&主演作『ガマの油』。"人間は肉体を失ったとき、
人から忘れられたとき、2度死ぬ"という独自の死生観が語られている。
(c)2008『ガマの油』製作委員会

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 近年の日本映画から、オリジナルストーリーの作品がほとんど姿を消した。製作委員会方式が定着したことで、人気コミックやベストセラー小説、TVドラマの劇場版など"保険"が掛かったものでないと出資会社はお金を出してくれない。日本の映画界は保守的な企業人たちにすっかり牛耳られてしまった。どんなに面白いシナリオがあっても、原作付きでなければ俎上(そじょう)に載せられることがない。

 そんな風潮の中、2009年6月に公開された役所広司"初監督作"『ガマの油』は珍しくオリジナル作品だ。今村昌平監督のスクリプターを務めていた福田花子(原案:中田秀子、脚本:うららとしてクレジット)の脚本に、役所広司が長崎県諫早市で過ごした幼年期に出会った、うさん臭い"ガマの油売り"の記憶を盛り込んだものだ。劇場公開時に大ヒットには及ばなかったものの、大物俳優ながら気取りのない性格で知られる役所広司らしい、とぼけたユーモアと芸名の由来でもある元公務員らしい誠実さが混在したハートウォーミングなドラマに仕上がっている。

『SAYURI』(03)、『バベル』(07)と国際的に活躍する役所広司とはいえ、自分の幼年期の体験を投影したオリジナルストーリーを監督するには"条件"が課せられた。それは、監督業と主演を兼任するというもの。初監督だけでも大変なのに、役づくりという個人レベルの作業と監督として作品全体を見渡すという二役はかなりの難問だったに違いない。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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