20日に行われた敵地での山東魯能(中国)戦に敗退し、1試合を残してサンフレッチェ広島のACL(アジアチャンピオンズリーグ)敗退が決定した。広島は開幕2戦で連敗を喫するも、ブリーラム・ユナイテッド(タイ)に2連勝し、この試合に勝つか、最悪引き分けに持ち込めていれば、グループリーグ突破の可能性を残していた。



 しかし、森保一監督はあまり調子の上がらないJリーグのために主力選手を温存し、スターティングメンバ―の半分が前の試合と変更されていた。この采配がサポーターの間で波紋を呼んでいる。

「五輪代表のFW浅野拓磨とDF佐々木翔をケガで欠いたのは仕方ないですが、スタメンにMF柏好文もMF柴崎晃誠もいませんでした。FWピーター・ウタカとMFミキッチに関してはベンチ入りもしなかったんです。連勝すれば十分勝ち抜ける可能性があったのにですよ。『単純に腹が立つ!』『中国まで観に行ったファンの気持ちはどうすんだよ』『ゴールデンウィークで最終戦という最高の環境で消化試合かよ……』と、怒りが収まらないサポーターの声がたくさん聞こえてきますよ」(スポーツライター)

 怒っているのは広島のサポーターだけではない。
今回の試合で、ACLに出たくても出られなかった他クラブのサポーターたちの反感も買ってしまったようだ。

「前節のJリーグ広島対新潟では、ACLでのコンディションも考えて土曜開催のところを金曜開催にずらしてもらってます。日本サッカー協会からは助成金も出ています。これでは他クラブのサポーターも怒りますよね。『やる気ないなら辞退しろよ!』『広島はいつもこうだよ! 少しでもきつくなるとすぐに逃げ出す!』『こんなクラブに負けたかと思うと悔しすぎる!』と、大ブーイングです。森保監督はJリーグを代表しているという自覚が足りないみたいですね。
日本代表の監督に推す声もありましたが、この様子では無理そうです」(同)

 サンフレッチェのような予算が少ないクラブには、JリーグもACLもナビスコ杯も全てで優勝を、というのは確かに無理があるのかもしれない。最優先するタイトルを絞るのも当然のことかもしれない。しかし、サポーターからすればどの試合も同じように時間とお金をかけ、同じように一生懸命応援する。いつだって自分のひいきのチームには勝ってほしいものだ。サッカーファンは、二度とこんな試合は観たくないはずだ。
(文=沢野奈津夫)