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祖父・寛や父・晋太郎にあって、安倍晋三にはないもの

2017年3月19日 07時00分 (2017年3月22日 06時18分 更新)

 あらゆる人物評伝は、史料や証言者の声が積もり、ページをめくればめくるほど濃厚になるものだが、本書は例外。残り3分の1、安倍晋三の軌跡を追い始めた途端、万事が薄味になる。彼について問われた誰しもが、語るべきことがあったろうか、と当惑する。


 晋三が通った成蹊大学名誉教授・加藤節(たかし)は、彼を「二つの意味で『ムチ』だ」と評する。「無知」と「無恥」。「芦部信喜さんという憲法学者、ご存知ですか?」と問われ、「私は憲法学の権威ではございませんので、存じ上げておりません」と答弁した彼を「無知であることをまったく恥じていない」と嘆く。手元の原稿に記された「訂正云々」を力強く「訂正でんでん」と読む宰相は無知を改めない。


 憲法改正を悲願とする彼は、母方の祖父・岸信介への傾倒を頻繁に語るが、なぜかもう一方の父方の祖父・寛について語らない。


 反戦の政治家として軍部と闘い、貧者救済を訴えた寛。「戦争とファッショの泥沼」の中で立候補した“選挙マニフェスト”には「富の偏在は国家の危機を招く」とある。それはまるで「アベノミクスの果実を隅々まで……」と緩慢なスローガンを反復する孫に警鐘を鳴らすかのよう。平和憲法を擁護し、リベラルな姿勢を貫いた晋太郎は、その父・寛を終生誇りにした。


 晋三いわく「公人ではなく私人」の昭恵夫人が、本書の取材に応じている。寛にも晋太郎にもあった気概や努力が晋三に感じられないのはなぜか、との不躾な問いに「天のはかりで、使命を負っているというか、天命であるとしか言えない」と述べる。

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コメント 14

  • 匿名さん 通報

    無知と無恥か。確かに安倍晋三を表現するには適切な言葉だな。ついでにも稲田朋美にも当てはまると思うが。

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  • 匿名さん 通報

    結局、小泉・小沢チルドレンとかワイドショー内閣・お殿様政権ってフレーズも付けられない長いだけのこの内閣は「腐敗」以外は何も産み出さなかったな、本来ならば「聖なる祭典」すらも極東で薄汚れちまった…。

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  • 匿名さん 通報

    今でも造船疑獄で指揮権を発動した岸のような卑怯者を尊敬してるくらいだからな!安倍も汚れた血は争えんね!

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  • ニャハハ 通報

    安倍夫妻は逃げ切るでしょう。懲りずに広告塔やって、客寄せパンダを続けるでしょう。見逃せば残業100時間と同じく、公認となります。現職の総理大臣の名前すら国民が覚えない時代が来るかも

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  • 匿名さん 通報

    色々言っても有権者が無知・無恥だっていうことでしょう テレビに乗せられて正常な判断が出来ない 自分で考え判断・行動できる国民に教育者は力を注いで欲しい あの幼稚園児の将来が今のネトウヨだよ。

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