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3,000体近くの解剖経験を持つ法医学者・西尾元が明かす、知られざる「法医解剖」の世界

2017年5月19日 21時00分 (2017年5月21日 17時00分 更新)
解剖の現場で、驚くような出来事はあんまりないんです。しかし、あの時の衝撃は今でも忘れられません。

──ほかに、先生が驚いた出来事にはどんな例があるのでしょうか?

西尾 驚いた例と言えるかどうかわかりませんが、解剖した遺体に予想外のことが起きていて解剖した時にそれがわかることがあります。お腹の表面を見る限りはなんともない。ところが、いざ開腹してみると肝臓が破裂していたんです。例えば交通事故の場合、車にぶつかって肝臓が破裂しても、お腹の表面には傷が残らないことがある。しかし、開けてみたら「バン」と割れていて、お腹の中で出血し、大量の血がたまっていたりすることもあるのです。

──解剖してはじめて、本当の状況がわかるんですね。そもそも法医解剖って、どのような流れで行われているのでしょうか?

西尾 亡くなった際に病死と明言できない場合、その遺体は「異状死体」として扱われ、警察がすべて把握することになっています。検視の結果、「これは解剖したほうがいい」と警察が判断した遺体については、大学の法医学教室に連絡するわけです。

 僕たちはその連絡を受けて、解剖の日程を決めます。当日、警察が我々のもとに遺体を運び入れ、解剖を行います。所要時間はだいたい2時間程度。脳から腸まで、すべての臓器を取り出して状態を確認し、元に戻すまでの時間です。薬物をはじめ、検査が必要な場合は、その後、各機関で行われる流れです。遺体は解剖後に遺族に戻され、僕たちは依頼元である警察に報告書を書いて終了です。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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