自身のブログで、「元マネジャーとの確執」「イラン人実業家との結婚」「都知事選への出馬」といった内容を連日アップし、世間の注目を浴びている泰葉。「お騒がせ芸能人」と呼ばれる人は少なくないが、頭ひとつ突き抜けたアクティブさだ。

そんな泰葉の筆跡を、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に読み解いてもらった。

■「ぶっ飛んだ人」の筆跡に表れがちな特徴とは



――今回見る泰葉さんの筆跡は、ブログにアップされた毛筆の文字です。小林麻央さんの訃報を受けて、自分の不幸な結婚生活を顧みた泰葉さんが、小林さんを「女神様」と表現した短歌のようなもので、この前提も相当“泰葉節”が効いていますが、筆跡はいかがでしょうか? 読みやすいきれいな字ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) ぶっ飛んだ泰葉ワールドですが、泰葉さんの衝動性は文字にどのように表れているのか、気になるところですね。

 通常、衝動性が強い人は、集中力が途切れやすいために文をまっすぐに書けない「行ブレ型」や、衝動を抑えられず極端な行動に結びつく「異常接筆(線が必要以上に伸び、ほかの線と衝突している文字)」などの筆跡特徴が文字に表れることが多いのです。

――異常接筆は以前も紹介してもらいましたが、見ている側の本能に一見で「ヤバい人だ」と訴えるものがありますね。


牧野 しかし、泰葉さんの文字を見てみると、まず「行ブレ型」はありません。「あなたは わたしの」の部分の下部が右側にズレて若干斜めになってはいますが、ブレることはなく、まっすぐ書かれています。

――確かに“ブレる”というと、「右に左に行ったり来たり」ですが、これなら、右方向に進んでいるだけですね。

牧野 はい。泰葉さんは衝動的ですが、集中力がないわけではありません。集中力がなければ、シンガーソングライターの活動はできないでしょう。
行下部が右側にズレるのは、物事を悪く考えてしまうクセの表れだと思います。

 あと、「光」に見られるような少し独特な字形は「変形字型」といい、芸術家などクリエイティブな才能を持った人に多い書き方です。

――「光」というより、中央の線が短すぎて「*」(アスタリスク)みたいですね。





牧野 「婚」の女へんの横線の左側への突出が大きい人は、才気煥発型です。よく「能ある鷹は爪を隠す」といわれますが、この場合は爪を隠さない、目立ちたがり屋でおだてに弱い、そんなお調子者のタイプです。

 また、「神」の字を見ると、縦画の下部への突出も見られます。
これは「良い仕事をしたい、役に立ちたい」という思いの強さや向上心の表れですが、一方、泰葉さんの場合、行動面を表すハネがほとんどないんです。

――確かに「光」の最後の一画のハネは、控えめですね。「婚」の「氏」の部分のハネもささやかです。

牧野 泰葉さんは「思いはあるけど粘り強さはなく、行動面には表れない」といえそうです。今までの一連の騒動からも、それがわかるはずです。ですから、今回の都知事選出馬のように、彼女が何か言いだしても、真に受けずに聞き流すことが彼女のためなのでしょう。


 「神」の文字などを見ると、泰葉さんの文字を「横方向」と「下方向」の突出度で比較すると、自分で道を切り開いていく上方向への突出はおとなしめです。泰葉さんが思いつきでぽんぽんモノを言っているのは、感性、感覚で、その瞬間瞬間を生きているからなのでしょう。決してかっちりとした人生設計があるわけではないようです。目立ちたがり屋ですので、わーわー騒いでいるだけで、自分の進退は他者によって決められてしまうのです。そういった意味では、前回のsaoriさんと同じく依存体質だといえそうです。

 松居一代さんも同じように達筆でしたが、彼女の文字、例えば書き始めのひねりや等間隔の横線などから、強い意志や自分の生き方へのこだわり、物事を管理、コントロールしなければ気が済まない気質が見られました。


――世代の近い松居一代さんの地に足が着いている感と比較すると、しみじみと泰葉さんとの違いがわかりますね。

牧野 泰葉さんの言動には賛否両論ありますが、わがまま、お騒がせが許されるのは、時折輝く集中力、持って生まれた才能、ピュアな面があるからなのでしょう。泰葉さんの文字は感性の文字です。よく紙一重といいますが、天性の芸術家肌なのでしょう。父親である初代林家三平氏など、伝統芸能の世界で破天荒に生きた伝説の落語家たちに比べると、かわいいものなのかもしれませんが。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。
筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『名前を書くだけ 自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)。
ほっかいどう筆跡鑑定研究所