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ついボタンを押したくなる心理をついた、ヒット絵本の戦略

2017年11月20日 11時00分 (2017年11月22日 16時41分 更新)

 タブー破りは楽しい。そんな原始的な欲求に応えるアメリカ発の絵本が、口コミでヒット中だ。本に登場するのは、いかにも押したくなる絶妙な雰囲気のボタンと、愛嬌のあるモンスターのラリー。ボタンが押されるたび、次々と思いもよらない現象がラリーの身の上に降りかかる。最後は一体、どうなってしまうのか? 1度開くと、ページを捲(めく)る手が止まらない。


「幼児や乳児に向けた絵本は古典が強く、なかなか新しい作品の入り込む余地がありません。ほとんどの親は自分も読んでいた絵本を子供に買い与えますからね。内容も、子供が喜びそうな題材は想像がつくのですが、親が子供にどんな本を読ませたいかは、なかなか判断できません。でも本書はコンセプトが明快で、原著を手に取ったときから行けそうな気がしたんです」(担当編集者の橋本圭右さん)


 直感を裏付けるべく、念入りなリサーチを実施。まずは試訳を数名の親子に見せ、企画の本始動前に手応えを得た。決定稿にする前にはパイロット版を300組の親子に配布して意見を集め、訳文のリズムを調整するなど、子供がより強く引き込まれるよう工夫も。


「絵本って実用書じゃないかと思うんです。子供が飽きずに、何十回も読んでほしくなるようなコストパフォーマンスのよい本を目指すこと。それが低年齢向けの絵本づくりではまず求められているのではないでしょうか」(橋本さん)


2017年8月発売。初版1万6000部。現在7刷10万部


(前田 久)


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