柳楽優弥の軌跡 天才子役としての苦悩を乗り越えた復活までの道のり

2018年9月20日 20時56分
画像出典:Amazon.co.jp「誰も知らない [DVD]

柳楽優弥といえば、最近では民放衛星放送や焼きそばのCMなどでコミカルな演技が印象的。デビューは13歳と早く、14歳で史上最年少かつ日本人初の受賞となったカンヌ国際映画祭での最優秀男優賞受賞は、大きなニュースとして取りあげられた。だが、輝かしい子役デビューを飾った彼のその後の人生は、決して順風満帆というわけではなかった。そんな柳楽優弥のこれまでを振り返る。

華々しい子役時代


1990年代以前に生まれた方の多くは、「柳楽優弥」と聞けば「カンヌ」という言葉を思い浮かべるのではなかろうか。そのくらいに鮮烈だった、柳楽優弥の映画デビューとカンヌ国際映画祭での最優秀男優賞(※注)受賞。まずは略歴やデビュー、子役時代についてまとめよう。
※賞の名前「Prix d'interpretation masculine」の訳し方は「男優賞」「最優秀男優賞」「最優秀主演男優賞」などメディアによってばらつきがあるが、本記事中では「最優秀男優賞」で統一した。

プロフィールと略歴


・プロフィール
生年月日:1990年3月26日
血液型:A型
身長:174cm
特技:武道、乗馬、サッカー

・略歴
2002年に芸能界入り。2003年4月から放送されたHONDAのテレビCM「翼ある人。心に翼を。-『親子』篇」(本田技研工業)が、初めて公開された出演作となる。同年、テレビドラマ「クニミツの政」(フジテレビ系)でドラマデビュー。

2004年、映画デビュー作となる是枝裕和監督作品「誰も知らない」で、第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞、史上最年少の14歳かつ日本人初受賞だったことが大きな話題を呼んだ。
その後テレビや映画を中心に活動を広げるも、2008年には処方薬の過剰摂取により病院に搬送されたことが報道された。この報道だけがきっかけではないが、この前後に出演作品やメディア露出などが減ったり、約2年にわたり出演がほとんどない時期もあった。

2010年1月、19歳の時に女優の豊田エリーと結婚。同年10月に第一子となる女児が生まれた。この後から、また映画やテレビ作品への意欲的な参加が見られるようになる。その勢いのまま再び多くの作品に出演するようになった柳楽は、映画「ディストラクション・ベイビーズ」で、「誰も知らない」以来の受賞となる第90回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞などを受賞。同年放送され話題となったテレビドラマ「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)に、主要キャストとして出演。2017年の映画「銀魂」に続き、2018年8月公開の「銀魂2 掟は破るためにこそある」で土方十四郎役を演じている。

芸能界入りのきっかけ~デビュー


所属事務所はスターダストプロモーション。芸能界に入るきっかけは、2002年(当時12歳)に同事務所に応募したこと。理由は「友達が所属していて楽しそう」などだった。

初めて公開された出演作は、前述のとおり2003年から放送されたHONDAのテレビCM。続いて同年夏の出演ドラマ「クニミツの政」が放映されたが、芸能界での初仕事は映画「誰も知らない」だった。ただし「誰も知らない」の撮影期間が1年におよび、公開までにはさらに1年を経ていたため、世に出た出演作としては3つ目となる。

「誰も知らない」は柳楽優弥にとって初めてのオーディション参加であり、初めて役者として演技し、初めて映画に出演(しかも主演)した作品だ。この“初めて” づくしの作品で、柳楽はさらに世界的に権威ある映画祭で日本人“初”の最優秀男優賞を受賞。もちろん柳楽にとってもこれが初めて獲得した賞となる。

映画「誰も知らない」でカンヌ史上最年少の最優秀男優賞受賞


2004年に公開された映画「誰も知らない」は、是枝裕和監督が15年もの歳月をかけて構想し映画化が実現した作品で、1988年に東京都豊島区で起きた「巣鴨子供置き去り事件」を題材にしたもの。是枝監督は、オーディションで「目に力がある」と柳楽優弥を主役に抜擢した。柳楽は、役者としての初参加作品ながら、親に放置されても子供たちだけで懸命に生き抜こうとする長男役を演じた。

この作品が第57回カンヌ国際映画祭(2004年)のコンペティション部門に出品されたことで、彼の人生が大きく変わる。作品としての受賞はなかったものの、柳楽優弥が史上最年少、日本人初の最優秀男優賞を受賞したのだ。このニュースは日本だけでなく、同映画祭が行われたカンヌ(フランス)でも話題となった。同作品で柳楽が受賞した賞は、第78回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第40回シカゴ国際映画祭Golden Plaque賞など、ほかにも多数ある。

受賞以降の活動


1作目から主演で始まった映画俳優の道は、上述の受賞が一躍注目を集めたことで、しばらく主演作品が続く。「星になった少年 Shining Boy & Little Randy」(2005年)、「シュガー&スパイス 風味絶佳」(2006年)と続いて主役を務めた。一方、テレビドラマは2004年の「電池が切れるまで」(テレビ朝日系)以降、2010年まで出演がない。ちなみにカンヌ国際映画祭での受賞が発表されたのは、「電池が切れるまで」の制作中のことだった。主演・財前直見が扮する教師の生徒役を柳楽優弥が演じていたが、受賞を受けて、まだ収録が終わっていなかった回での柳楽出演シーンが増やされたという。そしてこれが、子役としての最後のテレビドラマ出演となった。

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