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人工知能が絶対にできないこと――AI研究の難問「フレーム問題」を考える

2018年5月24日 10時23分

さまざまなデータがあっても、それがもとでニューヨーク・タイムズを買ったかどうかは分からない――とクレイトン・M・クリステンセン教授は主張します

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 ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・M・クリステンセン教授が書いた『ジョブ理論』(現訳は『Competing Against Luck』。日本語訳は2017年に刊行)には、私のような“ひよっこデータサイエンティスト”が仕事をする上で忘れてはならない教訓が記されています。

データは、顧客が「なぜ」ある選択をするのかについては、何も教えてくれない

 教授は自身の身長や家族構成などのデモグラフィックを例に挙げ、「今朝、ニューヨーク・タイムズを買うという行動を私に選択させたのは、こうした特徴のせいではない」として、相関関係と因果関係を取り違えてはならないと強く訴えます。

 この話を思い出すたびに、「手元にあるデータが世界の全て」だと思い込んで分析するとロクな結果にならないと、身につまされる思いでいっぱいになります。

 苦労してたどり着いたダンジョンの奥にある宝箱には、絶対に強い武器や防具が入っていると考えるのと同じように、データをこね回しているといつの間にか「これが答えだ!」と錯覚してしまった経験は、誰しも一度ぐらいはあるでしょう。「安易に答えを見つけ過ぎだ」という批判はごもっともなのですが……。

 私たちが暮らしている世界は、Excelで表現できる程度のデータ量では説明できません。ビッグデータといわれるようなデータ量でも無理なはず。それなのに、どうして膨大なデータさえあれば、人工知能が正しく判断してくれると考えてしまうのでしょうか? 今回は人工知能が「できないこと」についてお話しします。

注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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