「将棋フォーカス」からはキャスターの中村太地王座と乃木坂46の伊藤かりんさん、講座講師陣は佐藤紳哉七段と谷口由紀女流二段が参加し、地元を中心に集まったファンとの交流を楽しんだ。
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2011年3月11日に起きた大災害で甚大な被害を被った名取市。7年がたって復興が進んではいるが、災害の爪痕を残す場所も見られた。過去に多賀城市と南相馬市で同イベントに参加した中村王座は幼少期を仙台市で過ごした。「小学校時代の友人のお母様が被害に遭われたと聞きました。将棋やその他の思い出がたくさん詰まった宮城が大変なことになって心を痛めました」と神妙な面持ちで語る。続けて「将棋は娯楽で本来は気軽に楽しむもの。
■盛り上がる4人の掛け合い
オープニング映像は校舎の入り口脇に設置されていたイベント紹介ボードの前で行われた。中村王座が「将棋フォーカスチームも参加します」と言い、かりんさんが「はい、我々も頑張りましょう」と移動しようとすると待ったがかかった。
「ちょっとちょっとー、私たちも忘れないでくださいよー」と佐藤七段と谷口女流二段が慌て気味にやってきた。
エンジョイ将棋はオープニングでサンバ調のリズムに合わせて講師と聞き手が踊るところから始まるのが定跡だ。
第1部は講座の公開収録から。オープニングはかりんさんが紳哉講師のお株を奪う「みなさーん、エンジョイしてますか」の問いかけに始まり、4人で両手をフリフリして講座へ。7月8日放送分の「駒損しない受け」を学んだ。
スタジオとは違って問題の解答を参加者に聞く授業スタイルを採った紳哉講師。
続いて特集のトークショーも大いに盛り上がった。中村王座の初戴冠を振り返るとともに、将棋界の第一人者である羽生善治竜王への思いなど幅広く語った。
紳哉講師にはNHK杯戦の伝説のインタビューについて質問された。「豊島? 強いよね。
谷口女流二段は結婚について語った。
「新しい名字にまだ慣れていなくて。今でも室谷さんと呼ばれることがありますよ」と話す。ちなみに対局の日の夜はなかなか寝つけないようだ。
かりんさんには将棋に興味を持ってよかったことが聞かれた。「やはり将棋界の皆様とのご縁ですね。初めは仕事でしたが、趣味が増えたことがうれしいです。負けると悔しくて。負けて悔しい思いをしても結局は将棋に帰ってくる。今では生きていくうえでのひとつです」とうれしそうに話す。かりんさんは先日、日本将棋連盟専務理事の森内俊之九段から初段の免状が贈られたばかり。「まだ段位が先行しているので勉強して真の実力をつけたい。乃木坂のメンバーにももっと普及したい」と力を込める。
※席上対局の様子はテキストでお楽しみ下さい。
■『NHK将棋講座』2018年9月号より