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積極的安楽死が認められる条件を弁護士に聞いてみた

2017年10月17日 18時00分 (2017年10月24日 11時43分 更新)

積極的安楽死が認められる条件を弁護士に聞いてみた

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世界的にみて、安楽死は賛否両論があるテーマだ。安楽死が認められているスイスに対し、現在の日本に安楽死に関する法は整備されていない。だが2016年末の脚本家・橋田壽賀子氏の「私は安楽死で逝きたい」という発言からも見て取れるように、この問題に人々の関心は高まっているのかもしれない。「教えて!goo」にも「もし自分が治療不能で悪化する病気なら安楽死を選ぶか」という質問が寄せられていた。

■判例における積極的安楽死

実はこれまでの医療事件やその裁判例の蓄積により、積極的安楽死と認めるための条件というものが形成されつつある。このことについて、医療過誤・医療事故に詳しいゆりの木法律事務所の森谷和馬弁護士に解説していただいた。

「医療の現場では、患者の延命措置をどの程度まで行なうべきかという問題が起きています。とりわけ末期患者の苦痛が極めて大きいのにそれを和らげる手段がないような場合、医師は、延命治療をどこまで行なうのが正しいのかという難しい問題に直面します。こうした状況で、その患者に呼吸抑制剤のような致死的な薬剤を投与して、患者を死亡させる行為を『積極的安楽死』と言います」(森谷和馬弁護士)

では『積極的安楽死』が『合法=社会的に許される行為』とはどんな場合なのか。この点は法律の条文に示されている訳ではないため、解釈が必要になると森谷和馬弁護士。東海大学付属病院の事件で裁判所が示した基準は以下であるという。

(1)患者が耐え難い肉体的苦痛に苦しんでいること
(2)患者の死が避けられず、死期が迫っていること
(3)患者の肉体的苦痛を除去・緩和するための医療上の手段が尽くされ、代替手段がないこと
(4)患者本人の意思表示があること

「『積極的安楽死』が『合法=社会的に許される行為』とみなされるためには、以上の4つの条件が全て満たされている必要があります」(森谷和馬弁護士)

■消極的安楽死

森谷和馬弁護士はさらにもう一つの安楽死について教えてくれた。

「安楽死には『消極的安楽死』と呼ばれるパターンもあります。これは人工呼吸器を外すというような『延命治療の中止』で患者が死に至るケースです。人工呼吸管理が必要な患者の呼吸器を外せば間もなく死亡することは明らかなので、『積極的安楽死』と同様に『殺人』に該当しそうですが、実際の医療現場では、これに近い措置が行なわれているようです」(森谷和馬弁護士)

この中で一番判断が難しいのは、「本人の意思表示」である。しかし裏を返せば、安楽死や尊厳死について日ごろから考えておくことは、すぐにできる終活としての意味もあるだろう。日本人の健康寿命(日常生活を制限なく遅れる年齢)が70歳であることも考れば、この年齢が近づいた方は、「もし」を考えて、自らの考えを明示しておくのも一つの方法ではないだろうか。

ライター 樹木悠

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注: この記事は配信日から2週間以上経過した記事です。記事内容が現在の状況と異なる場合もありますのでご了承ください。

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