今年もやってくれました。
12月11日から無料公開中の「My sweet ウマドンナ~僕は君のウマ~」は、競馬業界で働く3人の美少女&美女がヒロインのシミュレーションゲーム。
でもこれだけでは、舞台とヒロインの設定が少し目新しいギャルゲーというだけですよね。
JRAの本気は、そんなもんじゃありません。
このゲームの主人公は「ウマ」。しかも、人間と会話ができる「ウマ」なんです。
プレイヤーは3歳の牡馬となって、「ヒロイン=ウマドンナ」たちにお世話されたり、調教されたり、鞭打たれたりしながら、夢の舞台・有馬記念を目指していきます。
ゲームシステムはいたってシンプル。1ステージ(シナリオ)、1ヒロイン制で、選択肢を選ぶ場面は各ステージで2、3回ずつ。エンディングまでのプレー時間も30分程度です。しかし、スタッフ&キャストの顔ぶれは商業ゲームに負けない充実ぶり。
オープニングや各シナリオの合間に挿入されるアニメーションとCGは、「攻殻機動隊」や「ギルティクラウン」のプロダクションI.Gが制作しています。
ギャルゲの肝であるシナリオはライトノベル作家の蒼山サグが担当。さすがは「まったく、小学生は最高だぜ」のセリフで有名な「ロウきゅーぶ!」の原作者ですね。「ええっ!? ちょ、ちょっと待ってよぅ! あすかときみとじゃ、身体の大きさがぜんぜん……!」など、シチュエーションが不明だと激しく誤解をされそうなセリフも出てきます。そんなセリフも話す3人のヒロインはもちろんフルボイスで、演じるのは豊崎愛生、佐藤利奈、遠藤綾という人気声優。キャラとキャストのマッチングにも隙がありません。
ステージ1はデビューを目指す主人公が夢路厩舎にやってくるシーンからスタート。
デビューに向けてのトレーニングが始まるステージ2のヒロインは、黒髪パッツンのクールな調教師・夢路寿(CV:佐藤利奈)。「別に。さほど期待はしていないわ」「40秒で支度なさい」など厳しく接してくるので、「ウマ」気分が一番味わえるシナリオかも。寿調教師はツンデレ属性も兼備していますが、デフォルトのツン度はかなり強め。最終的にどこまでデレるかは主人公の選択次第です。また、このステージではギャルゲの定番、プールイベントも発生。
12月18日に公開された最終ステージでは、高貴な佇まいの天才騎手・藤沢紅莉栖(CV:遠藤綾)が登場。運命の馬と出会うことを夢見てきた紅莉栖は、あるレースでライバルとして戦った主人公の走りに一目惚れ。「ずっと貴方の事が気になっていて……」と、あすかと同じく好感度MAXで接してきます。クライマックスでは、紅莉栖を背中に乗せて重賞レースに出走。
途中にバッドエンドも存在せず、誰でも簡単にエンディングを見ることが可能。選択肢によって各ステージやエンディングのイベントは変化します。クリア後は「ウマMEMORY」に登録されたイベントCGを壁紙としてダウンロードできるので、周回プレーでコンプリートを目指すのも楽しいですよ。ただ、同じパソコンで2周目を始めてセーブすると、1周目のセーブデータは上書きされて消えるので要注意。
無料のギャルゲーとしては、オリジナリティも遊びごたえも十分な「ウマドンナ」。公開期間はアナウンスされていないので、12月25日の有馬記念が終わった後は、いつまでプレーできるか分かりません。気になる人は急いで公式サイトに飛んで、ヒロインたちの「ウマ」になりましょう。
すでに全CGの壁紙をコンプリート済みの筆者は、新たな「ウマドンナ」も登場する続編を勝手に妄想中。2012年は、どんな「ウマドンナ」に会えるのか……。美人競馬記者、美人装蹄師、美人獣医とかどうですか?
JRAなら、きっとやってくれるはず。
(丸本大輔)