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馬鹿正直に就活する必要はない!『若者はなぜ「就職」できなくなったのか?』

2011年2月28日 11時00分 ライター情報:米光一成

児美川孝一郎『若者はなぜ「就職」できなくあんったのか? 生き抜くために知っておくべきこと』(日本図書センター)
就職、雇用、会社、大学がどのように変わりつつあるのか根っこからおさえるためにも!

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大学卒業予定者の就職内定率68.8%。
最低の記録だ。
というデータがでるが、それすら「調査の母数がもともと小さいうえに、抽出サンプルは就職に強い大学ばかり」なんて水増し疑惑もでるほど「超氷河期」再来だそうだ。

この「若者が就職できなくなった」状態を、冷静な視点で考察し、じゃあどうすればいいのか? を提案した本が出た。
『若者はなぜ「就職」できなくなったのか? 生き抜くために知っておくべきこと』、著者の児美川孝一郎。法政大学キャリアデザイン学部教授だ。

昔は、よかったんである。
「日本には、若年雇用問題は存在しない」とさえ言われていた。

新規学卒一括採用は、なぜ(一見)うまくいってるようにみえたのか。

それは、日本的雇用のシステムにあった。
日本的雇用システムの三種の神器は、
1終身雇用
2年功序列型賃金
3企業別労働組合
だ。

終身雇用と年功序列で、企業は社員に対して、(安定的な雇用と報酬という)未来を約束する。
そのかわりに、社員は、会社に忠誠を誓え。
そういうシステムなんである。
そうなると、企業側は、長期的な視野をもって、社員を教育することができる。
会社に入ってから、実際に仕事をしながら教育することが可能だった。OJT(On the Job Training)ってやつですな。
この安定的な仕組みが『ジャパン・アズ・ナンバーワン』と呼ばれ、GDPにおいてアメリカに次ぐ世界第二位まで登りつめた原動力だった。
で、そうなると学校は、どうあるべきか。
職業的リバレンス(職業との結びつきや関連性)を極端に弱めてしまう。
だって、仕事に関しては、会社にはいってじっくり教育するのだから、学校でやる必要はない。
というか、おそらく学校でやってくれないほうがありがたい。会社には会社の事情がたくさんあって、その色に染めたい、という思惑もあったのではないか。
必要なのは「訓練可能性」である。そこで、学歴がモノを言う。
と、これは大雑把にぐるっとまとめちゃったけど、本書では、こういった仕組みが、ていねいに解説されている。

ところが1990年代以降、新規学卒就職の仕組みが、うまくいかなくなった。
2010年の高校新卒者求人数は、1992年と比べて八分の一。職がない!
大卒者の就職内定率は、1990年には80パーセントを超えていたが、この10年は60パーセント台。
なぜ、こうなってしまったのか?

本書の第2章で4つの理由があげられる。
1・バブル崩壊後の日本経済の失速
2・グローバリゼーションの影響
3・日本企業の採用行動・雇用戦略の転換
4・そうした転換が起こりやすくした政府の労働力政策の展開

またも、ぐはっと大雑把にまとめちゃうと。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

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