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5秒に1冊売れると何位だ?『Amazonランキングの謎を解く』

2011年6月2日 10時00分 ライター情報:米光一成

『Amazonランキングの謎を解く』(化学同人)服部哲弥
書籍ランキングの順位変動はどういう原理で決定されているのかの謎に迫る!

アマゾンといっても、「強くてハダカで速い奴!」じゃなくて、インターネットオンライン書店サイト「アーマーゾーン!」である。
Amazon、本、たくさん、ある。ランキングつく。でも、どうやってつくか謎。

その謎を解明しようと立ち上がった男が書いた本が出た。
服部哲弥『Amazonランキングの謎を解く』である。
とはいえ、この本、“単純化された数理モデルを現実の社会現象から得たデータとつき合わせる”というところが主眼。
つまり、著者と、(タイトルで手に取った)読者のあいだに関心のズレが生じてしまいがちな本で、著者もそのあたりは気にしており“おおかたの興味に背を向けすぎるのもお叱りを買いそうなので”といった記述が何度も出てくる。
“ポワッソン分布は周知の可能性が高そうだが”って言われてもポワッソン分布という言葉自体はじめて聞いたし、周も知もしてないよッ! って読者であるぼくは正直に言うと数理モデルの部分は理解できてない。
「極限分布が満たす偏微分方程式」とか、「わー画数の多い漢字はかっこいいなー」という情けない読解力で読み進めておりますが、おもしろかった。

「Amazonランキングは複雑なことをしていない」とは思っていたが、ここまでシンプルなモデルで説明がつくとは! という驚きがある。

第一章に登場する「アマゾン書店の(上位以外の)ランキングの大原則」を引用する。
●毎時1回更新
●全部で約100万位ないし数百万位まである
●誰かがアマゾン書店で注文すると、直後のその次の更新で一気に上位へ(数値が減る)
●それ以外は下位へ(数値が増える)
●最近の売れ行きを考慮
●同時刻に一つの順位の本は1点限りで、順位の数値に欠落はない


第2章で提示される“単純な数理モデル”は、こうだ。
“最後に売れた順に並べる”
つまり、「Aという本が売れたらAを1位にする」である。
基本、これだけだ。
Aが売れたら、Aを1位にする。それで、いままで1位だった本は2位、2位だった本は3位になるわけね。全体がずれる。
「それじゃあ、タイミングによっては、めったに売れない本が1位になっちゃうんじゃない?」という疑問が出てくる。
だが、“そういう現象を観測することはあり得ない”
というのは、
“よく売れる書籍があっという間に売れて、すぐ順位を落とす”からである。
しかも、ランキング更新は1時間に1度。
なので、その幅で何冊も売れる本に関しては、もうひとつのランキング抽出方法を加味している(と推測する)。
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ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

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