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ネットもケータイもパソコンもない80年代のオタクライフ!『同人少女JB』

2012年1月19日 11時00分 ライター情報:たまごまご

『同人少女JB』一本木蛮/双葉社
パソコンもネットもない、1980年代のマニアの青春を描いた『同人少女JB』。アニメ雑誌の投稿欄にかける青春を君は知っているか? コピー一枚取るのに情熱をかけた時代を君は知っているか?!

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今「オタク」という言葉は説明するまでもなく漠然と多くの人の中で使われるようになりましたね。
もちろん使い方は様々。定義ができない言葉になりはじめています。
さて、オタクという言葉が生まれたのは1970年代。80年代になってアニメやSFのファンに対しての呼称として使われ始め、90年代に定着しました。自嘲的だったり否定的な意味合いが強くなったり、時には「こだわりがある人」というプラスの側面が追加されたりとうねうね変わる不思議な言葉です。
不思議な言葉っつーことはですよ。ようは便利な言葉なんですよね。とりあえず使っておけばいい、みたいな。
 
ではこの「オタク」という言葉が定着していなかった80年代、なんと呼んでいたのかってことですよ。
ん! そこのあなたもうお分かりのようですね。 ん! そこのあなたまだ生まれていない! そういう人も多いですよね。
80年代一部のマニアの間では「ビョーキ」という言葉が使われていました。
使用例。
「ほんとお前、クラリス(「カリオストロの城のヒロイン」)コンプレックスで、ビョーキだからなあ」
「そちらこそ大概ビョーキでしょう、弁天(「うる星やつら」)のビキニ甲冑至上主義ですしなあ」
「いやいや、私など足下にも及びません」
オタクと入れ替えてもそのまま通じます。
自嘲を含みながらも、ある一定のプライドを持った「マニアの共通言語」的な意味合いのある言葉です。
 
こんな「ビョーキ」な人々の80年代の青春を描いた作品が、一本木蛮の自伝的作品『同人少女JB』です。
なんせ表紙からしてラムちゃんのコスプレですからね! 最近は同人誌を描く少年少女の作品が増えたとはいえ、80年代の実体験を描いた作品はそうそうありません。
男性版でプロを目指す作品だと、島本和彦の『アオイホノオ』があります。作者の一本木蛮は島本和彦イズムを受け継ぐ、漫画家でありコスプレイヤー。コスプレ黎明期としては非常に目立つ人でした。
大雑把な内容としては、80年代の投稿職人であり同人活動に足を踏み入れた少女の物語。なんですが、いかんせん出てくるガジェットがいちいち80年代の匂いを濃厚に漂わせすぎているから面白いんですよ。

まず基本的なことですが、ネットがありません、ケータイもありません、パソコンも普及していません。
はがきは一枚20円。コピーはサイズによって値段が違う。ビデオも普及していないから、アニメはリアルタイムでチェックして必死に見ます。
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ライター情報

たまごまご

フリーライター。「ねとらぼ」「このマンガがすごい!WEB」などで執筆中。ひたすらに、様々な女の子の出てくるマンガを収集し続けています。

URL:たまごまごごはん

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