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赤字だらけのプロ野球経営を斬る『日本プロ野球改造論』

2013年4月2日 11時00分 ライター情報:オグマナオト

『日本プロ野球改造論 』並木裕太著/ディスカヴァー携書
日本のプロ野球が低迷している一方で、市場規模5000億までにも成長を続ける海外のメジャーリーグ。 15年前は同規模だったMLBとNPBの成功を分けたものとは?  日本ハムファイターズ、楽天ゴールデンイーグルスのアドバイザーにして経営コンサルタント・並木裕太が、日本球界に改革を迫る一冊。

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ついに開幕した日本プロ野球2013。
巨人の連覇なるか、二刀流・ルーキー大谷は成功するのか、WBC組のモチベーションは?etc…などなど見どころ満載のプロ野球。先月行われたWBC中継の視聴率も、日本開催の2次ラウンド3試合すべてが30%超えを記録するなど、野球人気が健在であることを痛感させられる……なんて記事があったらちょっと疑ってみた方がいいです。

今年、日本テレビの巨人戦・地上波中継は昨年より1試合少ない計22試合(ナイター7試合・デーゲーム15試合)。ナイター7試合って……。
1試合平均の観客動員数を見ても、セ・リーグは2009年の2万9380人をピークに3年連続で減少。パ・リーグも2010年の2万2762人から2年連続の減少。震災年だった2011年よりも減ってしまった、ということが「プロ野球人気のかげり」が深刻であることを物語っている。
また、球団経営で見ても黒字なのは巨人、阪神、広島だけで他の9球団は赤字。親会社などから広告宣伝費などの名目で補填を受けている。プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)も4年連続で赤字決算だ。

《今、日本プロ野球界は何が問題なのでしょう。結論からいうと、ビジネス界(特に日本のビジネス界)でも頻繁に直面する問題ですが、「既得権益者による現状維持のこだわり」「変化への産業全体の抵抗」「事情が異なるという理由づけ」による先駆者の知恵の否定」などが挙げられます》

日本プロ野球が抱える問題は、日本の産業界が抱える問題と同義である、と説くのは並木裕太著『日本プロ野球改造論』。北海道日本ハムファイターズ、東北楽天ゴールデンイーグルスのアドバイザーも務める経営コンサルタントが、日本球界に改革を迫る一冊だ。


【メジャーと日本、収益格差は約4倍】
本書では、メジャーリーグ(MLB)の経営内容や改革の経過、市場規模などと比較しながら、日本のプロ野球界(主にNPB)がいかに「ビジネス」として問題点を抱えているかを列挙していく。

例えば、MLBとNPBの総収益の違い。
約15年前の1995年。NPBの総収益が1400億円だったのに対し、MLBのそれは日本よりも下回っていた。しかし、15年たった2010年で比較すると、日本がほぼ横ばいであるのに対し、MLBの総収益は約5500億円(66億ドル)と、4倍もの額に増えているのだ(※1ドル80円で換算した場合)。
1995年といえば、野茂英雄が日本を飛び出し、MLBへ挑戦した年。

ライター情報

オグマナオト

福島県出身。『週刊野球太郎』『web R25』を中心にスポーツネタ、野球コラムを寄稿。構成した本に『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』『福島のおきて』など。

URL:Twitter:@oguman1977

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