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印刷事故発生、他のサークルの本と中身が入れ違ってのこの機転。第20回文学フリマで見つけた噂のすごい本

2015年5月17日 08時00分 ライター情報:近藤正高
ゴールデンウィークまっただなかの5月4日、「第20回文学フリマ東京」が東京流通センターで開催された。なお、名称に「東京」とついたのは今回が初めて。これは昨年末に文学フリマ事務局が掲げた「文学フリマ百都市構想」にもとづくもので、文学フリマは東京だけで開催されるものではなくなったとの意味合いが込められている。事実、これに先立ち4月19日には「第1回文学フリマ金沢」が行なわれ、さらに9月20日には「第3回文学フリマ大阪」、10月25日には「第1回文学フリマ福岡」と今後も各地での開催が予定されている。

さて、当エキレビ!ではすっかり恒例となった、ライターが文学フリマで見つけた本を紹介するというこの企画。今回は青柳美帆子さんとともにお送りする。以下、紹介文ではそれぞれ冒頭に本のタイトルと、カッコ内に販売していたサークル名もしくは出店者名を示した。月村了衛の評論・二次創作サークルを出店した青柳さんだけに、そのセレクトも文学の本道を行くのに対し、私は毎度ながら雑多なセレクトとなった。こうした違いが生まれるあたり、文学フリマの懐の広さではないか。
文学フリマでのエキレビライターの収獲・その1。画像上左から『ネガ詩』『さまよえる幽霊船上の夜会』、画像下左から『《エクス・リブリス》全レビュー』『現代中国・台湾ミステリBeginnersガイドブック』『Merca』

■青柳美帆子のおすすめ本
「ネガ詩」(ナナオクプリーズ
ブログが書籍化した(『もしも矢沢永吉が「桃太郎」を朗読したら』)星井七億さんのブースで頒布されていたもの。即興で「読むだけで落ち込む、人生が嫌になる」ネガティブな詩を色紙に書いてくれる。価格は投げ銭制。私が書いてもらった詩は「通り魔に路上でなぐられたけれどボジョレーヌーボーのビンだからちょっとめでたい」。
知り合いの女子大生2人が会うやいなや「ネガ詩」の色紙を見せてくれて、ネガティブな詩なのにすごくポジティブな表情をしていたのが印象深い。

「さまよえる幽霊船上の夜会」(エディション・プヒプヒ
垂野創一郎さんによる海外幻想文学の翻訳サークル。内容はもちろんのこと装丁が毎回オシャレで、格の高いサブカル女子になれるような気持ちがして毎回購入しています(ミーハー)。今回の新刊はヘルツマノフスキー・オルランドの『さまよえる幽霊船上の夜会』。訳は途中までで、残りは次回のイベントで発行されるとのこと。

「《エクス・リブリス》全レビュー」(海外文学好き好きボーイズ)
サークル名、非常に趣がある。
文学フリマのSF・ミステリ評論界隈では、叢書や文学賞、「○○ベスト100」系の全レビューを発行するサークルが多い。そのためそろそろ「全レビュー」のチョイスも難しくなってきて、「何を全レビューするか」のセンスすら問われ始めている。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

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