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漫画家にとって自分の右腕、左腕を切り落とす行為とは…赤塚不二夫が凄い理由

2015年10月27日 10時00分 ライター情報:杉江松恋
タリラリラーンのコニャニャチワ。
今年はギャグ漫画の神・赤塚不二夫先生の生誕80周年にあたる年なのだ。
『おそ松くん』の大胆な翻案アニメ化作品「おそ松さん」が一部で話題になっているらしいが、平成に入ってからの赤塚作品はアニメ化に恵まれなかったので、ヒットすれば嬉しい。
『コミック 天才バカボンの時代なのだ!』少年画報社

さて、生誕80周年の記念作品『コミック天才バカボンの時代なのだ!』という本をご存じだろうか。少年画報社から9月28日に刊行されたが、いわゆるコンビニ本なので気が付いてない方がいるかもしれない。これは赤塚ファンなら絶対買うべき1冊だ。

本書は、かつてフジオプロでアシスタントを務めた作家たちによる、ほぼ書き下ろしのアンソロジー本である。赤塚不二夫先生は完全な分業制で漫画を描いており、作風もその当時の体制によって異なっている。

第1期:人物担当に高井研一郎、ブレーンに古谷三敏、長谷邦夫を擁した時期。
第2期:近藤洋助をチーフとし、てらしまけいじ、しいやみつのりらが在籍。
第3期:第2期のスタッフのうちしいやみつのりだけが残り、チーフに昇格。

フジオプロは呑んべえ揃い


黄金期と呼べるのは第1期で、わが敬愛するとりいかずよし先生(『トイレット博士』)の他、土田よしこ、北見けんいちらの諸氏を抱え、フジオプロ作品としては古谷三敏『ダメおやじ』なども制作していた。少年サンデーのタケイ記者こと武居俊樹の著書『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』によれば、古谷がファミリー企画を興して独立する前の『ダメおやじ』には赤塚先生も当たり前のようにブレーンとして参加し、作画も手伝っていたという。第1期のスタッフ在籍時にフジオプロは新宿区中落合のひとみマンションに移るが(『天才バカボン』などの作品にこの建物の名前が頻出するので、当時のファンにとっては聖地であった)、その前は代々木の村田ビル、さらにそれ以前は現在の西新宿五丁目駅に近い新宿・十二社通りの四階建てのビルに入っていた。ここには石森章太郎・藤子不二雄ら(いずれも当時)と共同で設立したスタジオ・ゼロが入っており、そのスタッフとも当然交流がある。

第2期から第3期にかけてのメインスタッフだったしいやみつのりは、2015年1月に単著『赤塚不二夫先生との下落合呑んべえ日記』を発表し、主に第2期の思い出について振り返っている。しいやによればそのころのフジオプロは呑んべえ揃いで、原稿が上がると(上がる前の夜食でも)毎晩大宴会になったという。

ライター情報

杉江松恋

1968年生まれ。小説書評と東方Projectに命を賭けるフリーライター。あちこちに連載しています。

URL:Twitter:@from41tohomania

「漫画家にとって自分の右腕、左腕を切り落とす行為とは…赤塚不二夫が凄い理由」のコメント一覧 1

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    こんにちは。宜しくお願い致します。 桂米朝、立川談志の弟子にこれと言うのがいないのと同じく、赤塚氏も同様。ギャグのキレもそうだが、優しさがない。北見、高井、古谷各氏の女性キャラには魅力がない。

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