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社長が主役のドラマは視聴率が伸びないはずだが 「下町ロケット」好調の秘密

2015年11月13日 09時50分 ライター情報:井上マサキ
ドラマ『下町ロケット』(TBS系列)が好調である。始まって2週目にして『相棒』(テレビ朝日系)の視聴率を抜き、8日に放送された第4話は17.1%を記録。ドラマ部門では朝ドラ『あさが来た』(NHK)に次いで2位につけている(ビデオリサーチ調べ・関東地区。以下同)

『下町ロケット』の主人公は、佃製作所の社長・佃航平(阿部寛)。
ところが、佐藤智恵『テレビの秘密』(新潮新書)によれば、本来は「社長を主人公にしたドラマは、残念ながら高視聴率が望めない(P.17)」というのだ。
佐藤智恵『テレビの秘密』(新潮新書)

社長が主役のドラマは視聴率が伸びない理由


『テレビの秘密』の著者は、NHKや外資系テレビ局を経験し、編成や経営まで関わった人物。ドラマやバラエティ番組を「視聴率」や「編成」の観点で分析する一冊になっている。

第1章「ヒットの鍵は設定が握る」では、『半沢直樹』と『ルーズヴェルト・ゲーム』を比較する。
どちらもTBS系列・池井戸潤原作・同じ製作スタッフのドラマ。「倍返しだ」が流行語になった『半沢直樹』。その9か月後に「第2の半沢」を期待された『ルーズヴェルト・ゲーム』。視聴率はどうだったかといえば、『半沢直樹』が最終回に42.2%を記録する大ヒットとなったのに対し、『ルーズヴェルト・ゲーム』の平均視聴率は14.5%にとどまった。

同じ枠・同じテイストのドラマなのに、どうしてここまで差がついたのか?その決定的な差は「主人公の職位」にあるという。
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半沢直樹(堺雅人):中間管理職
細川充(唐沢寿明):社長
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さらに、『ルーズヴェルト・ゲーム』の同時期には、これまた池井戸潤が原作の『花咲舞が黙っていない』(日テレ)も放送されている。主人公・花咲舞(杏)の職位は「入社5年目の元窓口係」で、平均視聴率は16.0%。『ルーズヴェルト・ゲーム』を上回っている。

職位が視聴率につながる理由は、共感する視聴者の多さにある。例えば、1万人の社員がいる会社で社長は1人しかいない。残り9999人は社長以外。社長の細川よりも、中間管理職の半沢や、入社5年目の花咲のほうが共感してくれる人数が多い。共感する人が多い=多くの人が観る=視聴率が高い、という方程式だ。

『テレビの秘密』では、視聴率について語るとき「共感」というキーワードがあちこちに出てくる。『あさイチ』がターゲットを40代女性に絞る、『孤独のグルメ』を観るとお腹が空く、『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』で蛭子能収に振り回される太川陽介に「上司のツラさ」を感じる。

ライター情報

井上マサキ

1975年石巻出身のフリーライター。元SEで2児の父。スマホアプリ・パパ育児・お笑いを中心に活動中。路線図鑑賞家。ケータイ大喜利第14号レジェンド。

URL:Twitter:@inomsk

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