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今夜「クレイジージャーニー」高野秀行登場、アヘン密造地帯に潜入する男の衝撃の作品群

2016年1月21日 16時00分 ライター情報:南光裕
「クレイジージャーニー」
まぶしいアラスカの大自然から悪臭こみあげるマンホールタウンまで、これが世界の現実だとばかりにつきつけて、視聴者のド肝を抜いてきた旅番組だ(TBS系 毎週木曜日よる11:53から)。

今夜(1/21)、ここにゲストとして高野秀行(ツイッター)が出演。
番組で取り上げる『アヘン王国潜入記』のほかにも、世界の秘境やUMAの調査本を執筆した作家だ。
高野秀行/集英社文庫

UMAには、口にするだけでまともな大人扱いされなくなるようなバカバカしい響きがある。

「枕元に死んだ祖父が現れた」という人がいたら、一応は深刻な雰囲気になるが、
「昨日、池にカッパが現れた」という人がいたら、相手にされないか笑われる。
高野本人も、デビュー作の「幻獣ムベンベを追え」で調査が徒労に終わってからも、周囲に
「怪獣は?」
と半笑いで聞かれる日々をすごした。

実際にいるかどうかは別として、あまりにも「いなさそう感」が強いのは確かだ。

平凡な人生のまま終わるのは嫌なんだ!


『幻獣ムベンベを追え』は早稲田大学探検部を引き連れ、コンゴまで怪獣ムベンベを探しに行った記録。
「それで結局見つかるの、どうなの?」
ときかれたら、だからまだその段階の質問かよ、と逆ギレしていいレベルの衝撃的デビュー作だ。
高野秀行/集英社文庫

探検部の若者たちは、限界まで切り詰めた生活をして資金をかき集め、マラリアの脅威に脅え、足首から這い上がるヒルを潰しながらコンゴのジャングルを踏破する。

なぜ、そこまでするのか。
早稲田大学に入りながら、入部した時点で留年確定と言われるほど過酷な探検部に入部したのは、
「やっぱり自分は平凡な人生のまま終わるのは嫌なんだ!」
というまっすぐな思いが、
「卒業して安定した企業に就職したほうが、平凡だけど豊かな人生になる」
という常識に打ち勝ったからだ。

だから、目的地である伝説の沼にたどりついて、
「隊長! 小っちゃいです!」
と全員が思っても、全員が言い出せない。ただ沼を眺めるしかないのだ。
本人にとっては決死のドキュメンタリー。俯瞰で見ればバカな若者たちのお笑いルポ。どんな読み方もできる一冊だ。

『怪獣記』では、トルコの水棲怪獣ジャナワールの調査に出かけている。
高野秀行/集英社文庫

高野は目撃者が撮影した動画を観てすぐに、
「何かを見つけたら、プロなら意識的に、アマなら無意識的に、だんだん近づく映像になる。なのにこれは最初からアップだ」
など、鋭い指摘をいくつも展開し、ヤラセだと断言。
「さすが、経験豊富な人は観察力が違う!」
とビックリしたのだが、そのあとに割と早い段階で考え直して現地に行ってしまったので二度ビックリだった。

ライター情報

南光裕

おもしろいものをみつけて、わかりやすく書きます。
いまだに電子書籍よりハードカバー。
ゲームはスマホよりも専用機。

URL:Twitter:@kohadamaguro

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